日本認知症ワーキンググループが、2015年3月29日に開いた第1回全体ミーティング。診断前後に「どんな出会いが必要」か? をテーマに、認知症当事者のみなさまが意見交換された内容がつい先日、Facebookにアップされました。
「相手の立場に立って考える」
日常生活において誰もがやっているのに、認知症介護において介護者はこれができません。認知症がいったいどんな状態なのか、想像ができないからです。
自分の想像を軽く超えてくる認知症の人に介護者は疲弊してしまうのですが、これは想像の範囲がかなり狭いために起こり得ます。
想像の範囲を広げるにはどうしたらいいかというと、当事者の声を聴く、読む これしかありません。これを繰り返していくと、恐ろしいほど想像の範囲は広がり、ちょっとやそっとの事では驚かなくなります。
ということで、Facebookを使ってない人も多いので、ブログで取り上げます。
改めて日本認知症ワーキンググループとは?
ワーキンググループは、 ”認知症ご本人が” 集まりお互い情報を共有したり、自ら情報発信しています。介護者目線ではとても語れない、認知症ご本人ならではの意見を発信していることを、本ブログでは定期的に取り上げてきました。
・初期認知症の人にとって 「早期診断」 は 「早期絶望」 である
・認知症の当事者が語る「自分らしく生きるために心がけている3つのこと」
・認知症の当事者が自ら語った「生活の工夫」とは?
・認知症の「感覚」が手に取るように分かる本「認知症になった私が伝えたいこと」
・「体内に飼いトラがいる!」 レビー小体型認知症ご本人が語る幻覚
実際に認知症になった方同士でお話することで、救われることは多いそうです。ワーキンググループは認知症のあらゆる団体より、もっとも発信力のある団体だと思っています。
ミーティングの趣旨
Facebookページ「認知症当事者の会」より引用致します。
これまでのワーキンググループの話し合いの中でも、認知症の人が体験する診断前後の「空白の期間」という問題を考えてきました。今年の一月に公表された新オレンジプランでは、初期段階の認知症の人のニーズ把握や生きがいの支援があげられ、今後、このことに関する実態調査を実施するとあります。今日のミーティングにより、今、私たちが置かれている実際の状況や、私たちに何が必要かということが分かってくるのではないかと思います。その空白の期間をどう過ごすかによって、認知症とともに生きていく私たちの生活は、きっとより良いものになっていくはずです。引用元:https://www.facebook.com/ninchisyotoujisyanokai
「空白の期間」とは、認知症初期の方が実際に医師の診断を受ける前後から、介護保険サービスを受けるまでの期間を指します。この期間に悩み苦しむのですが、情報を集めれば集めるほど間違った情報に翻弄され、絶望に陥るのです。
そういった事がないように問題解決に動いているのが、ワーキンググループの皆さんです。
実際の意見
インターネットで調べたときには、あまりいい情報がなかったけど、当事者と出会ったことで「十年経っても元気でいる人がいる」という事を知った。そのことで、勇気と元気をもらうことができた。
今でこそだいぶ認知症の正しい情報や実態を見つけることができますが、調べ方ひとつでネガティブ情報ばかりになりますよね。
ただ医師に出会うということだけでなく、自分の苦しみについて一緒に考えてくれる存在であることが大切。
医師の一言は、何よりも重いんですよね。それこそしれっと、認知症の告知しちゃって、相手を傷つけたりします。相手の立場に立てる医師ってとても大切です。
医師から家族会の情報を教えてもらったり、相談員の方を紹介してもらったりと、次につなげてくれる医師。
医師の範囲だけで仕事をする人もいれば、うちのかかりつけ医のようにデイサービスの事や訪問薬剤師の事など幅広くアドバイスをくれる人もいます。後者に巡り合えないと、ご本人はつらいですよね。
家族にも理解してもらえない間は、家にいても辛いことが多かった。周囲の人に理解してもらえるようになることで、家にいても楽に生活することが出来るようになった
自分の記憶と葛藤しているメモ(漢字の練習、住所や名前を練習しているなど)が隠れているところから出てきたりします。そういったサインを早めに見つけてあげることが、大切なんですね。
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今日もしれっと、しれっと。
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