【ほんたま】「企画のたまご屋さん」を利用して本を出版できたわたしの突撃取材レポート

企画のたまご屋さん

NPO法人・企画のたまご屋さんが運営する「ほんたま」に、わたしの出版企画を採用して頂き、作家デビューしました。

メンバーである小島和子さん(写真右)と出版プロデューサーの森久保美樹さん(写真左)に、作家デビューするには?そしてわたしの 「新著の読みどころ」 について、インタビューしてきました!

企画のたまご屋さん(ほんたま)とは?

―― くどひろ:まず「企画のたまご屋さん」(ほんたま)について、簡単に教えて頂けますか?

小島和子さん(以下、小島敬称略):「ほんたま」は、本を出したい著者候補と出版社の編集者をつなぐマッチングサービスです。日本全国から、また海外からでも、ホームページ内にある応募フォームより出版企画を応募することができます。

企画のたまご屋さんの出版プロデューサーは、応募企画の中から「ニーズがある」「出版する価値がある」と思ったものを選んで、約1300人の編集者が登録しているメーリングリストに、毎朝1本ずつ配信します。

企画に興味を持った編集者がいれば、出版プロデューサーは企画応募者と編集者の打ち合わせをセッティングします。企画が正式に採用された後は、著者と出版社のやり取りに移行しますが、出版プロデューサーも適宜情報を共有して経緯を見守ります。

―― くどひろ:1300人ですか!出版エージェントは他にもありますが、「ほんたま」を利用するメリットは?

小島:3つあります。

【その1】費用が抑えられる

企画のたまご屋さんでは、応募から採用までのサポートは無料です。晴れて出版!となった場合のみ、印税の一部をいただき、団体の運営資金として活用しています。

【その2】誰でも応募できる。いつでも、どこからでも応募できる

年齢・性別・国籍その他、応募資格に制限はありません。無名の人も、既に何冊も著書を出版している人も、同じように企画のたまご屋さんを利用しています。また、ネット経由で応募できるので、地方や海外に住んでいる人、日中は忙しく働いている人も気軽に利用できます。

【その3】複数の出版社・編集者の目に留まる

選ばれた企画は、一度に1,300人以上の編集者に配信されます。自分の足で、一つひとつ出版社を訪問して企画を持ち込むより、はるかに効率的です。登録している編集者は、大手出版社から小さな出版社、個性的な出版社までさまざま。トガッた企画、ぶっ飛んだ企画でも、「面白い!」と評価してくれる編集者が、中にはいるかもしれません。

―― くどひろ:出版社への持ち込みは効率悪くて、採用確率も低いんですよね。年間で何人の方が、「ほんたま」から新しく作家としてデビューされてますか?

小島:月3,4冊、年間で約40冊程度が出版されています。これまで15年間で約592冊が出版されています。そのほとんどが著者にとってのデビュー作です。

たまご屋 新人作家

今までデビューした作家の皆さんの著書の一部

―― くどひろ:それは評判になる数字ですね!出版社への同行ありがとうございました。素人のわたしには、とても心強かったです。出版社との面談というのは、必ずあるのですか?出版社は著者のどこを見ているのでしょうか?

森久保美樹さん(以下、森久保敬称略)地方や海外など、遠方にお住まいの方は面談をしないこともありますが、基本的には面談します。出版社が見ているポイントについては、推測でしか言えないのですが、著者の人となりやポテンシャル、つまり「その人ならでは」という特徴や個性、専門性、情熱などでしょうか。

―― くどひろ:実際介護をされている方がブログ読者には多いのですが、みなさんの介護体験談は本としてニーズがあると思いますか?

森久保:介護の当事者、予備軍は多いので、マーケット自体は大きいのですが、個人的な体験をそのままつづっただけだと、ハードルが高いかもしれません。「こんな時はこうすればいいんだ」などの情報提供、あるいは「あるある!と何度も膝を打っちゃった」などエンタメとしての価値でもいいのですが、読者が「買ってよかった」と思える何かを提供できれば、ニーズはあると思います。

―― くどひろ:「ほんたま」 経由で出版された本で、注目作品はありますか?

小島: 「日本の大和言葉を美しく話す」 は、20万部を超える大ヒットです。日本人の心に染み入る古来からの大和言葉は、言葉の美しさや響きから、特に40代以上の女性に大変共感されている本です。

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わたしの新著について、質問してみました

―― くどひろ:オファーして頂いてありがとうございます!企画書の決め手になったポイントは、どこですか?

森久保:まず、プロフィールです。介護を担う男性はまだ少ないですし、その中でも、ブログで積極的に情報発信している男性は、もっと少ないでしょう。さらに、祖母と実母のダブル介護、遠距離介護、介護離職と、これからの男性が直面せざるを得ない現実を、今まさに生きているところに興味を持ちました。

にも関わらず、見本原稿やブログを拝見すると、いい意味で軽く読みやすい。つらい内容に触れていても、そのつらさに読者を無理やり引きずり込まないので、読後感がさわやかでした。

―― くどひろ:なんか照れますね・・・企画書の中で、特に面白いなと思った点はどこですか?

森久保:経験者、当事者の視線が全体を通して貫かれている点です。たとえば「どこでもドアホン」のような機器の使い方や、医療・介護のプロとの関わり方など、実用的な情報も役に立つと思いましたし、介護疲れなど深刻な話題を扱っても、上から目線でも自虐でもなく、等身大の気持ちをもとに書かれているところに好感を持ちました。

―― くどひろ:実際会ってみた 「くどひろ」 のイメージは、どんな感じでしたか?

森久保:「この人、書く仕事に向いてる!」と思いました。好奇心が強くフレンドリーで話が尽きない。ライターや編集者に多いタイプでは?

―― くどひろ :質問したい事が、山ほどありまして(笑)森久保さんはヘルパー資格をお持ちなんですよね?介護にまつわる何かエピソードありますか?

森久保:「男は重いよ!」……ふざけた言い方で申し訳ないのですが、本当にそう! 女性は多少ぽっちゃりしてても、そこまで重くはないのですが、男性は骨や筋肉がしっかりしてるから、見た目より重いんです。

真面目な話題としては、自分で排泄できることが、どれだけ人の尊厳を守っているのかを、現場で働く中で実感しました。健康な人は、いちいちトイレのことなど意識していないと思いますが、自分一人でできるって、すごく幸せなことだと思っています。

―― くどひろ:最後にメッセージをお願いします。

森久保:今回の本のことを周囲に話したら、「実は私も介護の経験が…」というカミングアウトが何件かありました。当事者はあまり話さないから気づかないけど、自分の周りにも介護に関わっている人、情報を求めている人は、もっといるのかもしれません。

これからもブログやメディア、または次の著書で、そんなサイレントマジョリティーに役立つ情報を発信してくださることを期待しています。

―― くどひろ:ありがとうございました!

企画が出版社に配信され、出版までたどりつく確率は20%。ぜひ、下記公式サイトより企画を応募してみてください!

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

アメリカではKindle売上が頭打ちになって来ているそうです。その代わり紙の本が見直されているとか。

本、ポチりました。夫婦で読まさせていただきます。

せきぐさま

そのニュースよみました。便利なんですけど、今回紙の本を出してみて反響の違いが全然違うことが分かりました。

せきぐさま

本当にありがとうございます!思いのまま感想を頂けると、わたしも助かります!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか