「認知症介護を後悔しないための54の心得」の担当編集者に聞いてみた!本の「読みどころ」と制作秘話

いよいよ本日より、新著「医者には書けない!認知症介護を後悔しないための54の心得」が書店に並びます。首都圏大型書店からなので、地域によっては明日以降という書店さんもあります。

今日は、一緒にこの本の制作にあたってくださった、廣済堂出版編集部の江波戸裕子(えばとゆうこ)さんに来て頂きました!

先に江波戸さんをご紹介しておきますと、現在、6刷の「歯は磨かないでください」、シリーズ10万部を突破した「それでも薬剤師は薬を飲まない」など数々のヒット を生んだ方です。その方に編集してもらったんですよ。

―― くどひろ:江波戸さん、お疲れさまでした!まず、廣済堂出版さんの健康人新書シリーズについて、簡単に解説して頂けますか?

江波戸裕子さん(以下、敬称略江波戸):廣済堂出版の健康をテーマにした新書シリーズです。新書サイズだから手に取りやすく、読みやすいのが特徴。ベーシックな健康情報というよりは、新しい健康情報や著者さんの主張が掲載されています。

―― くどひろ:なるほど、このシリーズの第43弾にわたしの作品が加わったわけですね。3か月近く、この作品に真剣に向き合ってくださって、本当に感謝しております!1字1句、あんなに細かく読んだことなかったです。新幹線、お風呂、母の横、いろんなところで原稿チェックしてました。数ある企画の中から、なぜこの企画を選ぼうと思ったのですか?

江波戸:こちらこそありがとうございました!企画を選んだ理由は、もともと、健康人新書シリーズの『医者は認知症を「治せる」』(著・河野和彦)が売れていて、しかもこの本の治療メソッドを、くどひろさんが実践してくださっていたから、というのがありますね。

―― くどひろ:確かに本の最初は、コウノメソッド実践記みたいなところあります。銀座のオフィスで初めてお会いした時、あまりにあっさり面談が終わったのでこりゃだめだと思いました。今回の新著にも登場しているあのカメラで、実家の母の様子をスマホでお見せしたのがよかったんでしょうか(笑)

江波戸:どうでしょう(笑)。企画書の第一印象で決めるので、面談時間はあまり関係ないのです。企画書をぱっと見るだけで、内容がハッキリとわかりましたし、面白く感じました。

―― くどひろ:そうだったんですね。健康人新書シリーズは和田秀樹先生、河野和彦先生など著名な先生方が多いですよね。わたしのような単なる介護家族の企画を採用するって、すごく勇気がいることだと思うんですが?

江波戸:むしろ、いわゆる「先生」でない方の企画も出したいと思っていました。読者さんは、いつもと違うことを求められますので。また、編集者も、常に新しい著者さんを探しているのです。

―― くどひろ:江波戸さんが担当された健康人新書シリーズの中で、今イチオシの本は何ですか?

江波戸:すべてイチオシです(笑)。といいながら、今年度いちばん売れているのは、『歯は磨かないでください』ですね。売れている背景には、歯医者さんに対する世の中の不信感があるみたいです。

―― くどひろ:この本、確かに書店でよく見かけますよ。今回初めてプロの方に編集して頂いて、驚くほど読みやすく構成も納得いくものに仕上がりました。編集で特に注意した点はどこですか?

江波戸:元の原稿がよかったので、そのテイストを崩さないことと、編集しすぎないこと。それでいて、とにかく読みやすくすることです。前向きな感じを出したかったので、本の帯に、くどひろさんのいつものセリフの「しれっと」を掲載させていただきました。

―― くどひろ:本の挿絵ができて来たとき、わたしが女性になっていたのが面白かったです。やっぱり介護は女性というイメージを持っている証拠なんですかね?

江波戸:イラストレーターさんへの私の伝え方が悪かったと思いますが(笑)、女性というイメージがあるんでしょうね。しかし、これからは男性の介護の方も増えていくと思います。

―― くどひろ:編集者から見た、この本の 「読みどころ」 は何だと思いますか?

江波戸:お医者さんではなく、介護者さん目線なところはもちろん、前向きなところです。くどひろさんの優しさがあふれています。また、男性が介護したり、あっさり介護離職したときの考え方など、これからの新しいコンセプトが示されているところです。

―― くどひろ:著者とやりとりしてみて、何か特徴ありましたか?この人、暇そうだなとか?

江波戸:いえいえ(笑)。お返事がマメな著者さんは、けっこう多いんですよ。返信が早いと助かりますね。くどひろさんは、以前、出版関係のお仕事もされていたそうで、やりとりがスムーズでありがたかったです。いつも、ご意見を出してくれた上に、「ご判断は江波戸さんにお任せします」とおっしゃってくれるので、編集に集中できました。

―― くどひろ:厳密にいうと、出版ではなく手帳の校正してただけなんですけどね(笑)本も扱ってたので、少し知ってるくらいです。最後に本の購入を検討されている方へ、一言お願いします!

江波戸:親御さんや他の家族に対して、「ひょっとして認知症?」と思った方や、すでに介護をされている方、ご家族が介護をされている方は、必読です!

―― くどひろ:ありがとうございました!会社員としていろんな仕事を経験してきましたが、人生でこの体験が一番面白かったです!やっぱり自分で書いた作品はかわいいです、ナデナデ。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか