母に回鍋肉(ホイコーロ)を気持ちよく作ってもらうための工夫

GWですね!

昔はワクワクしていましたが、今は特別感はありません。どこへ行っても人が多いので、近所をウロウロして終了です。GWはブログを読む人が激減する週で若干さみしいのですが、しれっと更新してまいりたいと思います。

母はインスタント系が嫌いです。例えば、粉ソースつきの3袋入りの焼きそば。気持ち悪いと言って残します。CookDoのような、ソースと混ぜ合わせて調理するタイプも嫌いです。

なぜ嫌いかというと、そういった調味料は自分で作る人だったからです。

味ぽんは買わず、自分でポン酢を作ります。めんつゆも市販のものは許せないらしく、自作でした。だから、小さい頃は麦茶とよく間違えて飲んで、「うぇーー」ってやつ、何回もやりました。そのくらい、料理にこだわりのある母で、頭の中だけは全盛期のままです。

その状態でデイで買い物(リハビリ)をするため、その食材使えないだろ!というものを買ってきます。ちなみにリハビリですが、

ヘルパーさんが冷蔵庫チェック → 買い物リストをデイ職員さんに渡す → 母はリストを見て、買い物

という流れで、かなりゆるくやってます。好きなだけ買っていいし、リスト通りでなくてもいいということにしています。

今回困った素材が、キャベツ。昔ならロールキャベツや、ポトフ、サラダに利用していましたが、今作れるのは、ロールキャベツくらいかな・・・ギリギリで。簡単なサラダを作る習慣がなくなりました、なぜか。

冷蔵庫を見ながら、いつも頭を悩ませてます。これら食材で、「今の母が」作れる料理は何だろうかと。今回、キャベツと豚肉、ピーマン、ネギがあったので、回鍋肉(ホイコーロ)を作ってもらうことにしました。

以前は楽勝で作れた回鍋肉も、今は味がおかしい変な野菜炒めが出来上がります。で食べるのは、わたし・・・息子に料理を食べさせるという、親の役割を果たしたい気持ちはよく分かるので、なんとか気分よく料理してもらいたいわけです。

以前もこの方法だったのですが、今回も同じパターンで。まず、母の嫌いなCookDoの回鍋肉ソースを買ってきます。2人前ができて、助かっております。

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このままだと、気持ち悪いといって使ってくれません。なので、自分の部屋へ、ジャムの空き瓶を持ってしれっと移動します。

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CookDoのソースを、ジャムの空き瓶に入れます。

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この瓶を冷蔵庫に、入れておきます。わたしの考えた、脱インスタント術いかがですか?次の本の心得に、載せるつもりです(笑)そして料理する前に、こう言います。

くどひろ
これ、うちの奥さんの自家製ソース。東京から持って来たー、うまいからこれ。
あら、それはいいわね。ありがたいわー

こうやって、夕方の食卓にCookDoの回鍋肉が並びます。母は、気持ちよく回鍋肉を作れるわけです、ぜひお試しください・・・?

で、完成したのがこちら・・・・なんか違う・・・

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変な料理が出てきたときは、心の中でグッとこらえ、本人に感想を求めるようにしています。

くどひろ
どう?今日の回鍋肉のお味は?
ん?なんか少ないし、おいしくないわね

味は完璧でした(笑)しかし、炒め過ぎて(時間の感覚が微妙なので)キャベツがしんなりしてしまい、さらにキャベツの一番外側の濃い緑の葉を2、3枚しか入れず、逆に肉はパック全部使ってました。最初見た時、間違えてほうれん草で炒めたか?と思ったくらいです。

あとで冷蔵庫のキャベツを見ると、ほとんど減ってないことが分かりました。まぁしょうがないです、こうやって残存能力の維持を続けることが、きっと認知症にはいいだろうと思ってやってますので。

CookDoで分かったことは、「野菜は素材が命」ということです。

今日もシャキッと、シャキッと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

4件のコメント

くどひろさんの工夫にホントすごいな~っていつも感動します。私の場合、困ったなぁ…でおわりがちなので。うちの母もくどひろさんのお母様と同じように料理が上手だったのですが、今は何もしたくない、とほとんどしなくなりました。 なんても母まかせだったから実は内心負担に思ってたのかなって、思ったりしています。何にもできなくなって、と落ち込むことも最近少なくなった母てす。

ねーさんさま

今回のお話はかるーく笑って頂ければと思って書いたのですが、褒めて頂きありがとうございます!

CookDoの写真を撮ってるところを想像したら、やっぱりアホだなぁ~って思いますよ、自分のこと(笑)

面白いですね〜。
うちも、いろいろと裏工作をしていて、お膳立てをしながらやってますのでよくわかります!
結局、そうしないと後がややこしくなるんですよね。変に怒ったり、質問攻めになったり。
この辺りの苦労?はなかなか普通の人にはわかってもらえないとこです。
あるある!と思いましたよ。

最近では、母以外のところでも同じツッコミを繰り返したり、わかりやすく会話したりしている自分に気づきました!
母が喜ぶネタを1日に何度も繰り返したりするのですが、なんか自分でも何度話したかわからなくなりヤバイです。
かなりくどい人になってます。苦笑

babamamaさま

コメントありがとうございます。

おっしゃるとおり、お膳立てしたほうがラクなんですよね。単なるお笑い記事のつもりだったんですけど、皆さんいろんな捉え方されていて、介護している方には何か感じるものがあるんですね。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか