今日は「日本アンガーマネジメント協会」のある調査結果によって、「人間の根深さ」が分かったというお話です。調査された人は、こちら。
■ 回答サンプル :部下・後輩に怒ったことがある者および顧客に怒ったことがある者515名
上司・先輩に怒られたことがある者および顧客に怒られたことがある者774名
いろんな回答があったのですが、一番面白いと思った調査結果が「怒られた部下や後輩が、いつまで感情を引きずるか」その期間の長さです。
怒ったあと、上司の62.5%は、数分程度で感情を切り替えられるのに対し、部下の5人に1人は、1年以上も感情を引きずる傾向が!中には1年以上も避けているという部下も!さらに、その後に関係が回復したのは僅か7.6%! 76.9%は「昔の関係に戻っていない」という事実。
出典元:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会調べ
20.3%もの部下が、1年も上司を恨み続けるって・・・長い、長すぎる。そして、こういった怒られた感情を引きずっている部下たちは、上司を避け、無視する割合が高いのです。「親の心、子知らず」と言いますが、「上司の心、部下知らず」です。
ある美容室で、上司経験のある人だけでチームを組んだら、最強のチームになったそうです。それはみんなが上司の気持ちを知っていたからだそうで、上司経験者とそうでない人とは全く気持ちの持ち方が違います。わたしも、偉くなる一歩手前のときは、子犬のようにキャンキャンと噛みついてました・・・お恥ずかしい30代前半のわたし。
その後、マネージャーを6年ほど経験しましたが、部下に対してほとんど怒ったり怒鳴ったりしたことはありません。しかし、部下のミスは上司のミスなので、みんなが次々とミスをやらかしてしまうと、ガマンできなくなることも。
しかし、怒らずグッとこらえて、他で怒りの解消をいろいろやりました。一番ひどかった時は、ジムのスタジオでボクササイズしました。
「うぉー、ストレートじゃ、フックだ!キックだーーーおらぁーーー!」
こんな感じでした。ただ6年もそういうことを繰り返すと、だいぶ自分をコントロールできるようになりました。グッとこらえて、なぜミスが起きたのか、自分ではミスをどう考えるのかと、本人からコトバを引き出すことに注力していました。
怒って、その後1年も根に持たれて無視されるなんて、辛すぎませんか?だったら、鞘(さや)を収めるべきです。今は会社員ではないので、あの辛さがありません。対峙するのは、うちの母親だけ。あの時の部下への怒りに比べれば、母の妄想はかわすことができます・・・母はしつこいですけどね(笑)
ここまで来て、何が言いたいかお分かりかと思います。
「これだけいつまでも怒られたことを根にもつ人が多いのだから、認知症の人が「怒られたときのイヤな感情」をいつまでも覚えていても、何ら不思議じゃない!」
ってことです。認知症の人が特別なんじゃなくて、みんな怒られたくないってことです。怒られることで発奮する体育会系の人もごく稀にはいるのですが、多くの人は怒られると根に持つんですね。でも1年は、ちょっと長すぎませんか?
以前、認知症の人に対する怒り爆発の対処法について、下記のお話を書きました。
なんでこれを思いついたかについては、新刊に新しい心得として書いてみましたので、そちらをご覧になってみてください。(という前フリが増えそうな6月・・・)
今日もしれっと、しれっと。
上司は、怒ることで自分の感情を発散していますから、すぐ消えますよ。怒られた方は、感情の発散しようがないですから、消えませんよ。
認知症の人でも同じです。もっとも介護者も人の子。鬱屈した感情を溜め込んでは、やってられません。
認知症の人に起こってしまった後、怒ることは良くないことだと理解していれば良いんです。自分の感情を発散させれば、気持ちにゆとりがもてます。怒られた人へのフォローができれば、後に尾を引きにくくなります。
仕事でやっていても、辛いことがあります。介護者が思わず感情を爆発させることは、仕方がないことでしょう。爆発した後の、フォローの仕方を理解していれば、何とかなりますよ。
小関先生
確かにそうですね、介護者が分かっていてもつい怒ってしまうことはあります。
わたしは怒ったあとのフォローが大変(部下の場合)なので、ならば最初から怒らないように自分で処理できるようになってました。今となっては、それが認知症介護にも役立ってます。こんなカタチで役に立つとは・・・人生何があるか分かりません(笑)