【超福祉展】「義足も人工呼吸器もメガネと同じ」 という深いコトバ

There is no such a thing as a physically disabled person. There is only physically disabled technology.
(体に障害を持つ人なんていない、ただテクノロジーに障害があるだけだ)

これはMITメディアラボのヒューハー教授のコトバです。17歳の時にロッククライミング中に凍傷になり、両足を切断します。この時に自分の体が損傷したと思わなかったというから、驚きです。

両足を失ったことでロッククライミングのタイムが早くなったとポジティブに考えたり、気分によって身長を高くも低くもできる!とTEDプレゼンで語っています。

先日行ってきた超福祉展で、ソニーコンピュータサイエンス研究所の遠藤謙さんの講演でのお話に少し追加しました。こんな状況になっても、こういう事が言えてしまうのはすごいことですよね。

これはヒューハーさんに限らず、同日にトークしていた義足モデルのGIMICOさん(下写真)、ロンドンパラリンピックの車椅子マラソンで5位入賞した花岡伸和さん、駿河台大学でハンドボール部監督をされている鈴木徹さんも車椅子や義足を使いながら、ものすごいポジティブなんですよね。

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遠藤謙さんのあるインタビューを引用すると、

テクノロジーの障害をサポートできる技術さえあれば、この世から「身体障害」という言葉は無くなるんじゃないかと。だって、視力が悪ければ眼鏡をかけるじゃないですか。目が悪い人を誰も身体障害者とは呼ばないですよね。むしろ、眼鏡は技術だけでなくデザインも進化して、ファッション化している。義足もそんな域に達したらいいなと思います。
(引用URL :http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20140711/407268/?ST=manabi&P=4)

マンガ宇宙兄弟(下写真)の編集者である佐渡島庸平さんも別の講演で、メガネを例えに使っていました。

メガネも視力を補正するし、人工呼吸器も呼吸を補正する。補正するという意味では同じだけど、普及している数が違うだけのこと

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亡くなった祖母と同じ病室の方が人工呼吸器を使っていたんですが、やっぱりメガネ感覚で見る事はできなかったんですよね・・・普及させるとか、浸透させるって大切なんだなぁ~

そこにかっこいい!かわいい!っていうファッション性も加わると、さらに普及が加速します。メガネがファッションでおしゃれであるように、義足もおしゃれなんですよね。超福祉展のアプローチは、やっぱり斬新です。

わたしの視力は0.02なので、メガネやコンタクトがないと生活ができません。月を肉眼で見ると3倍くらいの大きさに見えるし、矯正しないで街を歩いたら知り合いに会っても余裕でスルーです(笑)

メガネも義足も人工呼吸器もみんな同じで、どれも補正や補足してくれるものなんだと。同じレベルなんだと。これが 「意識のバリア」 というやつなんだなぁと勉強になりました。この展示会に行く予定はなかったのですが、かなり大きな “気づき” を得ました。認知症も同じことですよね。

こちらがヒューハーさんご自身のプレゼンです↓


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか