よくないかもしれないけど認知症の親の習慣を「しれっと」変えるということ

認知症 親 習慣 変える

認知症の母(74歳・要介護2)は、手足は不自由ですがトイレは自分で行くことができます。

外出時に注意しなければならないのは、ごくまれに存在する「和式トイレ」です。何も考えずに母を女子トイレへ連れていって、外で待っていたらズボンをびっしょり濡らして出てきたことがありました。母は「和式はムリ」と言っていたので、本当のところは分かりませんが和式トイレだったのだと思います。こういうとき娘だったら、女子トイレを確認できるのに・・・と思います。それからというもの、外出時は身障者用トイレを使うことにしています。

母は昼のおしっこは問題ないのですが、夜は失禁があります。今は布のパンツに、軽失禁用パッドを利用しています。

軽失禁用パッドもなかなか使ってもらえなくて、以前はトイレットペーパーのシングルを何重にも畳んでパンツに入れて寝ていました。濡れたトイレットペーパーをきちんと捨ててくれればいいのですが、認知症なので忘れてしまいます。それで洗濯機と洗濯物が紙まみれということがよくありました。

なんとか軽失禁用パッドも使いこなせるようになったのですが、パッドを忘れることもあります。自分でもそれに気づいているようで、念のためのバスタオルをシーツの上に敷いて寝ています。

朝、バスタオルとハンドタオルが大量に洗濯機の中にあることもあって、夜中に失禁したあと拭くのに使っています。わたしに見つからないように、早朝に洗濯をしていることもよくあります・・・バレてますが。

母のプライドを尊重するため、母がデイに行っている間にふとんを干したり、ふとん乾燥機をかけるのが日課です。母が居る時に庭にふとんを干すと、自分がおしっこを漏らしたのをご近所に見られているという意識が働くみたいで、干して1時間も経たないうちに取り込んだりすることもあります。で、わたしがまた干しなおすという意味不明なラリーをすることもあります。

わたしもいろいろと手間なので、何かいい方法はないかな・・・と。

要介護5の亡くなった父が病院から退院して在宅へ移行してすぐは、寝返りも打てないほどでした。その時に使っていた「防水おねしょシーツ(記事タイトル下の写真)」を、母に「しれっと」使ってみることにしました。

「防水おねしょシーツ」をしれっと設置した

「防水おねしょシーツ」を「しれっと」敷きふとんに巻き付けて、何食わぬ顔をしておりました。すると母が、

ねぇ、何なのこれ!わたしこんなの必要ないわよ!

母はこう言うだろうと思っておりました。そこでわたしは、

くどひろ
ほら、ばあさん使ってたシーツだよこれ。この前、これいいわね!って、言ってたでしょ~ もうかれこれ1か月以上は使ってるって。
あら、そうだったかしらね。

ばあさんと言ったのは、父とは27年も別居していたので、そっちのほうがいいかなという優しさ?からです。これいいわね!なんて母は言ってませんし、当然1か月なんて使ってません。

母もしばらくはシーツの違和感があるので、毎日毎日このやりとりをしないといけませんし、わたしがおねしょシーツを毎日「こっそり」セットする必要はあります。いろいろ面倒だったのですが、母はおねしょシーツを使い始めていました。

認知症の家族の習慣を「しれっと」変えること

認知症の母に正攻法で防水おねしょシーツを使うように言ったら、間違いなく使いません。「こんなもの必要ない!」と怒られると思います。日本中、こういう親子ケンカしているご家族だらけですよね?家族のためにと思う介護家族 vs プライドが許さない認知症の親とのバトル・・・

わたしはこういう争いごとが嫌いなので、母にとっていいと思ったものは「しれっと」導入して様子を見るようにしています。本当にイヤだったらシーツを外すはずですが、ちゃっかり使っているということはこれで良かったのだと思います。軽失禁用パッドを使ってもらうときも、しれっと嘘をつき通して成功しました。

「忘れてしまう」という認知症の症状をうまく利用して、最終的には母にとってよりいい環境を作っているとわたしは思っているのですが、認知症の親の意見をきちんと聞くべきという方もいるでしょうね。でもな・・・うちの場合は言い争いになる可能性があるので、このやり方のほうが平和に過ごせます、親子共々。

不自由な状態なのにムリしている場合は、このように「しれっと」変更してしばらく様子を見ることもしています。

今日もしれっと、しれっと。

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2 件のコメント

  • くどひろさん、上手ですね❗介護って正解がないと思うんです。大切な事は、ご本人に無理強いしないこと、不安にしないことですよね。我が家も、一日何度も洗濯地獄を経て、ある日付き物が落ちた様にリハビリパンツをはいてくれる様になりました。出来ないんじゃないかとか、無理とか思わず試してみるのがいいかもしれませんね。本当に一人ひとり違うので、アプローチも多様でなければ…。その為にも、介護者の観察力が大切ですよね。私も、今日もしれっといきたいな。いつも励ましてくださって、ありがとうございます。

  • 群青ブルマさま

    こちらこそありがとうございます!

    認知症ご本人を尊重する声が高まる中で、わたしのような介護者目線の話を書くのもどうなのかと思うこともあります。でも介護者が優しくならないと、認知症の人は優しくなれないと考えるとケアラーも尊重しないといけないなと思っております。

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    ABOUTこのブログを書いている人

    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)、著書:がんばりすぎずにしれっと認知症介護 (新日本出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか