認知症の母が不穏になる隣の家の新築工事始まる

2023年5月にこんな記事を書きました。

お隣の家が取り壊され、空き地になった母は、何十年も見てきた景色と違うからなのか、何度も何度も勝手口のドアを開けて確認をするようになりました。

勝手口は地面から20cmの高さがあって、母が転落や骨折をする恐れがあります。ここまで何度もドアを開けると思っていなかったし、認知症も進行したので落下防止のための手すりをつけました。

落下防止用の手すり

ついに新築工事が始まる

あれから1年5か月ほど経って、空き地に新しい家が建つことが決まりました。工事が始まると、様子を見たくなるのはわたしも同じです。母はこれから何度も工事の様子を確認するために勝手口のドアを開けるでしょう。

解体の時に問題になったのが、わが家の私道に業者が勝手に車を止めるので、デイサービスの送迎やヘルパーさん、訪問看護師さんが何度か通れなくなってしまいました。車を止めないようお願いして、最後のほうはちゃんと守ってくれました。

今回の新築の工事の際も、数回同じことがあったので建設会社に連絡をして止めてもらいました。また設計に入る前にも、わが家の私道だからそこを通るような設計にはしないで欲しいとお願いをして、それも受け入れてもらったのです。

遠距離介護をしながら、実はこういう交渉もやっておりました。認知症の母では対応できないので、離れて暮らす息子が窓口になっています。

新築工事が終わって、新しい環境に慣れてくれたら、手すりは返却しようと思っています。でも幼少期から9回の引っ越しを経験して、ご近所が気になって仕方がない母は、家が建ってからも何度となく確認するでしょうね。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか