認知症の人の冬の薄着対策にヒートテックは有効か?

ヒートテック

認知症の人が真冬に薄着になり、家族が困っているという問題。

一般的に言われている原因は、高齢になるとそもそも体温調節能力が落ちる、そして認知症になって判断能力も落ちるからという理由が最も多く、対処法はムリに服を着せるのではなく、「本人の意見を尊重する」というものがほとんどでした。

うちの母が、真冬に薄着を好む理由をわたしはこう分析しています。

母に寒いから服を着るようにお願いすると、「厚着すると、汗をかくからダメ」と言います。母が汗を嫌う理由は、お風呂に入っていないからです。

介護職の方には、「2日に1回はお風呂入っている」、「デイのお風呂は日中だからイヤだけど、夜は入っている」みたいな取り繕いをしますが、いわゆる湯船に使ったことはもう5年、いやもっとないと思います。

どうしているかというと、尿・便失禁することが多いので、そのついでに下半身をシャワーできれいしてます。上半身は、たまにタオルで拭くレベルだと思われます。

お風呂に入らない以上、できるだけ汗はかきたくないという潜在意識が母にはあって、それで真冬でも薄着でいたいのだと思います。季節感がないというのも、もちろんあります。

わたしは薄着をどうにかしたいので、誰もが知っているあのアイテムを買ってみました。

たまたま購入したユニクロのヒートテックがいい!

わたしが最近利用するようになった、ユニクロのヒートテック。

ヒートテック自体は知っていたのですが、盛岡に帰省してもなぜか利用したことはありませんでした。ヒートテック靴下とヒートテックタイツを試しに買ってみたところ、本当に効果抜群!

ウソでしょ?ってくらい暖かいので、遠距離介護で盛岡へ帰るときはヒートテックで防寒対策するようになりました。

これを母親にも試してみよう!ということで、母にヒートテック靴下を買ってみました。記事タイトル下の写真が、購入したものです。

母はすでに一張羅問題に突入していて、同じ服ばかり着ています。なので、靴下を買うときも、母がいつも履いている色を確認し、サイズもチェックして、ユニクロのレディース売り場へ行きました。

ヒートテックがいいのは、そんなに生地が厚手でないことです。母は薄手の靴下と思いながら履くけど、実は暖かいというところを狙ってます。厚手は汗をかくからイヤみたいです。

今履いている靴下(衣替えをしないので、夏に履く薄手のものも含まれる)をしれっと撤収して、ユニクロのヒートテック靴下に入れ替えます。

記事のオチとしては母が、「なんか靴下暖かいわね」と言ってもらえればキレイな終わり方になるのですが、正直なところ母は何も感じていないようです。

それでも、介護する家族からすれば、どんなに薄着であってもヒートテックで防寒しているから大丈夫という安心感は得られます。

盛岡の婦人衣料のお店に行くのは恥ずかしくないのですが、都内のユニクロのレディース売り場でタイツを選ぶのは、さすがに周りの目が気になりますね。

盛岡は3月も4月も割と寒いので、ヒートテックをじわじわ増やしていく作戦を実行して、薄着問題を解決しようと実践中です。ツイッターでコメント頂きましたので、下記ご紹介します。

高齢者にユニクロのヒートテックは避けるべき?

ネットで高齢者のヒートテック着用を調べると、下記ツイートと同様の記事がたくさん出てきます。

これはこれで参考になったのですが、高齢者の中にはヒートテックを愛用している方もいます。お肌の乾燥以上に、寒さ対策のほうが大切という意見です。

例えば、それほど寒くない地域であれば、ヒートテックの着用で汗をかきやすくなり、それで乾燥している可能性もあります。いろいろ記事を読んでいたところ、あるお医者さんの見解が参考になったのでご紹介します。

ただ、合成繊維と一口に言っても様々な種類がありますよね。そのなかのどれに反応しているのか検査するより、基本的にヒートテックを着るのを止めてかゆみが止まるなら、それで問題がないと考えています

引用元:https://joshi-spa.jp/987021

敏感肌やデリケート肌の方々の中には『綿神話』があります。しっかり汗も吸ってくれるし、安全だし、暖かい。でも私はみんなが綿100%を着ればいいとは思ってません。ナイロンなどが入っていても、それで肌触りがよくて、かゆくならないかもしれない。それなら綿100%以外のものを着たって問題ありませんよね

引用元: https://joshi-spa.jp/987021

高齢者のこうした意見もある割に、ヒートテックは普通に売れてます。やはり個人差があるということだと思うので、ヒートテックを使う際は肌の状態をしっかり確認してください。またヒートテックコットン(肌側が綿のもの)もあるので、寒さ対策できそうですよね。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

 遅ればせながら,明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いいたします。

 高齢者は皮膚感覚が鈍るとはよく言われますが,確かに亡母が在宅時,あんかで低温やけどしていたことがあります。

 ちなみにヒートテックは,間違いなく寒冷地に在住する庶民の味方です。
 何と今どきは「超極暖」まであります。
 対して夏場は盛岡でも温暖化のせいか,猛暑日,熱帯夜まであります。
 エアリズムの出番です。
 ということで,ユニクロは通年,庶民の味方でした。

減速生活者さま

今年もよろしくお願いします!

超極暖を買おうか悩んだのですが、とりあえず普通のタイプと極暖を購入しました。
確かにエアリズムもありますね。肌を乾燥させるというのは、驚きでした。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか