ここ最近、母と食事する際に気をつけていることがある。
それは母よりも早く食べ終わらないこと。
もちろん、母の認知症が理由である。
親子の盛り付けの量の違いで困ること
例えば、母の数少ないレパートリーとなっているラーメン。
母は自分の分を少なく、わたしの分を多く盛りつける。
「いただきます」と言って、母とわたしが同時に食べ始める。
わたしは食べるスピードが早いので、器に残っている麺の量が母よりも少なくなる。
すると母はわたしの器を見て、こう言う。
数分後。
母はわたしの器を見て、こう言う。
また同じ話の繰り返しになる。
母は認知症だから、ラーメンの量の多少も忘れてしまうし、会話自体も忘れる。
だから、食事が終わるまで、何度となくこの会話が繰り返される。
自分の食事のスピードをコントロールした
正直なところ、食事のたびにこの会話になるし、高齢者の母の食べるスピードより遅く食べるのは、なかなか大変だ。
しかも、食事は毎日のことだから、食べるスピードをコントロールするのは、なかなか骨が折れる。
ただ、昔から母はこういう人だった。
わたしが高校生の頃のやりとりである。
食べ盛りの高校生の息子に、多く食べさせてやりたいという母の気持ち。
きっと認知症の母は、当時の記憶を思い出しているのだろう。
しかしアラフィフの今のわたしは、母の分まで食べたいとは思わない。
そんなことが頭をよぎるから、「 全力で 」イライラすることはない。
そこで考えた。
最近は、母が食べ始めて数分経った頃に、わたしは食べ始めるようになった。
そうすると、わたしはいつものスピードで食べられるし、母も「ほら、食べなさい」と言わなくなる。
但し、ラーメンの場合は麺が伸びてしまうので、注意が必要だ。
昔、twitterでこの話を呟いたことがある。
正直、この話と同じことが認知症介護をしている他の家族にあるなんて思ってもいなかったが、どなたかの家でも同じと言われたような記憶がある。
今日もしれっと、しれっと。
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