1/18新刊発売のお知らせ

新しく購入した照明が介護にものすごく役に立った話

ある日のことです。

認知症の母が、なかなか寝ない日がありました。母の寝室には見守りカメラがついているので、わたしは帰省中に自分の部屋から、母が寝たかどうかをいつもカメラで確認します。

その日は寝室に入って1時間経ってもまだ起きているのでおかしいと思い、寝室をノックして入ると母が、「これ、どうやって消すの?」というので、わたしが照明のヒモを引っ張って消しました。

翌日も同様に母が「これ、消えないんだけど」というので、またわたしが照明を消しました。今まで自分の力で照明を消せていたのに、なぜ?

照明を消せない2つの理由

母が照明を消せない理由を、数日間真剣に考えてみました。

ひとつは目のトラブルです。白内障の手術を控えた母には、白くて細い照明のヒモが見えないのかもと。下の写真で見るとヒモはハッキリ見えるのですが、現物は白い壁に囲まれて見づらいんですよね。

照明のヒモが見えない? 昔の照明

2つ目は認知症の進行です。ヒモを引いて電気を消す動作自体を急に忘れてしまったのかもと思いました。

いずれにせよ2日連続で照明を消せなかったので、この状態が続くようならわたしが帰京すると、電気は1日中つけっぱなしになります。居る間に解決策を見つけないとまずいと思って何日も考えた結果、新しく照明を購入することにしたのです。

新しい照明の条件で最も大切なのは、ヒモ(プルスイッチ)。何十年もヒモを引いて照明を消してきた母が、突然リモコンを使って照明を消せるはずがありません。認知症の母の場合は、新しい習慣は身につかない前提で考えないといけません。

そしてもう1つ、ある機能を追加すれば介護がかなりラクになると気づき、その機能付きの照明にしました。その機能とはリモコンです。ヒモだけでなくリモコンも使える照明を買えば、スマートリモコンに登録して遠隔操作が可能になります。

最初はホームセンターで探したのですが、Amazonのほうが安かったので6,418円でヒモとリモコンの両方が使えるタイプの照明を買いました。さて、母は使ってくれるのか?

新しく買ったヒモとリモコンが使えるLEDの和式照明

新しい照明が介護にものすごく役立った

しれっと照明を交換して、母の様子を黙って見ていたところ、なんの躊躇もなく照明を消してくれました。ヒモの色も黒くて見やすく、照明を交換してからは消せない日はなくなりました。それだけでも十分ですが、このリモコンが介護的に死ぬほど役に立ったのです。

1つ目は母を起こすために、照明を活用しています。最近の母はわたしが起こさないと起きない日が増えてきました。また遠距離介護中も、デイサービスに行く日だというのにずっと寝ています。

東京から電話を何分も鳴らし続けて起こしたり、あまりに起きないときは見守りカメラの声掛けを使ったりもします。ただ毎日これをやるのは大変なので、朝6時になったら自動で照明がつくようスマートリモコンで設定しました。すると母はきちんと起きるようになったのです、めちゃくちゃラク!

2つ目は、夜間の常夜灯(豆電球)をスマートリモコンで自動でつけるようにしました。母は真っ暗にして寝る習慣がありますが、寝静まった夜中に常夜灯だけつける予約設定をして、うっすら明かりをつけるようにしました。

そうすると今まで真っ暗で見えなかったポータブルトイレが見えるので、寝ぼけていてもすぐトイレが見つけられて失禁の失敗がなくなります。認知症なので、布団の真横にトイレがあること自体を忘れますが、少し明かりがあると見ればわかります。

ポータブルトイレの仕掛けはこちらの記事でもご紹介しましたが、この照明とダブルで仕掛けてからというもの、母の夜間の失禁の失敗はほとんどなくなりました。だから朝の2時間の洗濯がなくなったし、ヘルパーさんも失禁処理で時間を取られなくなりました。

照明で母を起こし、失禁も減る。本当にすばらしい、6000円の投資でした!スマートリモコンがすごいのかも。

音声配信voicyの最新回は、グループホームにバス停のニュースです↓

今日もしれっと、しれっと。

【2023年講演会予定】
1/29(日):埼玉県幸手市・杉戸町 → 内容の詳細


 


【2023.01.18発売、予約受付中!】
東京と岩手の遠距離「在宅」介護を、10年以上続けられている理由のひとつが道具です。わたしが使ってきた道具を中心に、介護保険の杖や介護ベッドなど福祉用具も含め、介護者の皆さんがラクになる環境を実現するための本になっています。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

3件のコメント

いつもありがとうございます。

私の父も認知症が進行して、電話では私と妹の区別がつかなくなっているようです。

父は通帳の管理が難しくなり、銀行から成年後見人の相談に行った方が良いと勧められました。(地域包括支援センターへ)
くどひろさんのブログで「成年後見人」という言葉は知っていましたが、私にはとても難しく感じます。
また、成年後見人について取り上げていただけると助かります。

sakoさま

最近、クローズアップ現代で成年後見制度の放送回がありました。直近でvoicyやブログで取り扱うのは難しいと思われるので、クロ現のリンク貼っておきます。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4724/

やはり難しいし面倒だし、何よりお金がかかるのが問題です。
制度を使わずに何とかなるのが最もいいのですが……。

リンクありがとうございます(^^)
クロ現で取り扱っていたなんて知りませんでした…
自分でも調べてみて制度を使わずにやりたいと思っていましたが、その気持ちが強くなりました。
でも、我が家の状況を考えると、どうしても利用するしかない日が来るかもしれません。

今日のVoicy(遠距離介護の親の食事)を拝聴しました。
私はとても良い考え方だと思いました。毎回の食事でうまく栄養を摂れるに越したことはありませんが、それでは、サポートする人が持たないと思います。
現在、父の食事については何もできていません。本当は、デイケア、ヘルパーさんなどに頼みたいところもありますが、お金がかかることがわかると父が躊躇してしまうからです。
自分ではひどい娘だと思いますが、とりあえず父が生きていれば良しとしています。

くどひろさんはしれっと介護しているとおっしゃっていますが、私からすればそんなふうに見えないです。
介護10周年、本当にお疲れさまです。
そしていつもありがとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて11年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか