認知症の進行でアナログ時計が読めなくなった母のための次なる対策

認知症も重度まで進行すると、こういう工夫に意味はあるのかな? むしろこれまでの環境どおりのほうが、安心するのかな? なんて悩みもあります。

母はアナログ時計の針の位置から時間を読めなくなってきていて、正答率は2割くらいです。時計が読めていないので行動もおかしなことになっていて、15時に夕食を食べたり、デイサービスから帰ってきたのに、また行こうとしたり。

実家の居間にあるアナログ掛時計

2023年9月にデジタル日めくりカレンダーを開発している、アデッソさんの会社訪問をした際に頂いたけど使っていなかった、あの商品を投入してみることにしました。

メガ日めくりカレンダー電波時計 withお薬リマインダー

今回設置した商品は、「メガ日めくりカレンダー電波時計 withお薬リマインダー」。とにかく文字が大きいので、最初からこちらでテストしようと思っていた時期もありました。

メガ日めくりカレンダーに交換

アナログ時計は柱の上のほうに掛けていたので、小さいデジタル日めくりカレンダーでは文字が見えません。早速入れ替えて、母が何ていうか黙って様子を見ていました。

時計が変わったことは理解したようですが、時計を読んでいる雰囲気がありません。デジタルだから針を読まなくていいと思ったのですが、何かが違うようです。

カレンダーには時間、日付、曜日の3つが表示されていて、母はそれらが何を意味するのか分かっていないようです。今度は設置する場所を低くしつつ、手を加えて様子をみました。

デジタル独特の数字が苦手?

貼り紙をすれば分かってもらえると思ったのですが、情報量が多すぎて分からなくなってしまったようです。「じかん」って何? 「ひづけ」って何? と。

貼り紙をしたら分かってもらえるかと思ったのですが……

さらにデジタル数字の「8」を見て、丸いのと丸いのがつながっているけど何なの? と。前からデジタルのカクカクした数字は前から読めない日もあったのですが、字が小さいから読めないのかと思っていました。どうやらデジタル数字自体が、苦手なようです。

1週間ほどテストしましたがあまり改善は見られず、いつものほうが安心するかなと思って結局アナログ時計に戻しました。

軽度か中等度の認知症の頃だったら、うまくいったと思います。とはいえ当時の母は、アナログ時計の針を読めていたので、テストしようとは思わなかったのですが。

音声配信voicyの最新回は、認知症の母のタオル使いのその後の話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか