認知症介護にめちゃくちゃ役立つ「ホワイトボード」活用術

ホワイトボード

ニトリで買った500円のホワイトボードを1年間使い倒し、壊れて役目を終えました。今日は認知症の母と介護者であるわたしとのコミニケーションツール、ホワイトボードの活用術をご紹介します。

ホワイトボード
冷蔵庫にマグネットで貼ったニトリのホワイトボード

ホワイトボードに当日の予定を書く

・8:30 ヘルパーさんゴミ捨て
・11:00 ヘルパーさん買い物

ベタですが、ホワイトボードに予定を書きます。その時間が来るまで何回も質問してくる母なので、一度書いておくと何度も回答する必要がありません。ホワイトボードを指差しすれば、回答になります。

小さいお子さんがいる家庭で使うコミニケーション手段に似てますね、冷蔵庫のホワイトボードに予定を書いておく、あれと同じです。

わたしの予定を書く

わたしが外出する時は、

昼 いらない   
(昼ごはんは作らなくていいよ という意味)
夕 家に戻ってくる
(東京に帰るんじゃないよ、家に戻ってくるよ という意味)

と書きます。一時的に外出して、家に帰ってくると、

母: 「あら、東京に帰ったかと思った」

といつも言います。ホワイトボードを指差すと、

母: 「あー、そうだったわねー」

いつもこうです。あとは自分が理解したつもりで、予定をどんどん消していきます。ホワイトボードの意味を成さなくなってきているので、文字が書いてあるマグネットにすれば、消されないかなぁ~ と次なる対策を検討中です。

献立を書く

・肉じゃが
・ほうれんそうのおひたし
・なめこ汁

ホワイトボードに献立を書けば、この通り作ってくれます。料理の腕がすごかった母ですが、今は全盛期の70%くらいです。もし書かないとどうなるかというと、

・3日連続、同じものが出てくる
・冷蔵庫の中の残り物(いつのか分からない)が出てくる
・残り物をアレンジしたものが出てくる

最近分かってきたのは、

母:「わたしは残り物を、きれいに整理するのが得意なのよ」

これを額面通りに受け止めてきましたが、「取り繕い」 だなと。前は自ら献立を考えて、何を買うか材料を決めて買い物ができました。最近は何を買うか考えるのが大変になってきているので、こういっておけば取り繕えるんだなと。

必要としているものを書く

・たわし

東京から実家に帰ると、まずホワイトボードを見ます。ホワイトボードに書かれている常連組に、”たわし” があります。たわしは購入して定位置に置いているんですが、なぜか たわし とよく書いてます。

この必要としているものから、ひとりで生活している間に何があったかを想定します。

・おかし

おかしは通常いらないから、誰かが珍しく訪問して、そのお返しにお菓子が必要なんだろうなぁ~と。で聞いてみると、

母: 「親戚のAちゃんが、来てさ~」

母はそういうんですが、本当に来たかどうかは不明です。でも調査方法が今のところないので、そのまま放置しています。

わたし: 「あぁーAちゃん、来てくれたんだね~(内心疑いながら)」

以前はドアホンの録画機能付きを買おう、電話も自動録音機能付きを買おう と思っていたんですが、ガスレンジのわずかな違いに対応できない事が分かってからは、あまり変えない方が得策ということで、

「知りすぎる必要もないな、何か問題が起きてから詮索しよう」

そう決めました。たかだか500円のホワイトボードですが、1年間大活躍してくれました。どこに設置するかがかなり重要で、うちは冷蔵庫でないと意味を成しません。一番見るところに設置しないと、見てもくれません。

認知症グッズの中で、最もコストパフォーマンスがいいです。Amazonで最も売れているホワイトボードをご紹介して終わります。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか