2013年に書いた「認知症で同じことを繰り返し言う人への対処法」は、たくさんの人に読まれた人気記事です。
この記事は、「同じ事を聞けるのは5回まで!」 という松本診療所院長・松本一生先生の話を紹介したのですが、実は単なる目安でしかないというオチでした。
うちの母は同じことを5回言うのに5分とかからないという、高橋名人ばりの連射が得意です。5回以上もし繰り返した時、自分はどう対応してたかな?どう自分を守ってたかな?というのが、今日のお話です。
次の日の予定が気になる母
母は翌日にどういう予定があるのかを異様に気にする人で、当日のその時間が来るまでカレンダーをチェックし、息子であるわたしに何度も何度も質問をします。
そのカレンダーが読めず質問が多かったので、電波時計を買ってみたところ「今日は何日?何曜日?」という質問数が激減しました。しかし 「明日何があるんだっけ?」「どこに行く?」「誰と会う?」 という質問に対応できませんでした。
カレンダーのマス目に上記をすべて書くと、字が小さすぎて見えず逆に質問が増えることになり、そこで考えたのが「メモメモ切り返し法」です。
メモメモ切り返し法とは?
「メモメモ切り返し法」は有名な医者が唱えたものではなく、わたしの完全オリジナルです。手書き “メモ” で、”メモ” リー(記憶)に訴えかけるので、そういうネーミングをつけてみました。
やり方は簡単で、ペンとメモ用紙を持って認知症の人の話を聞くというものです。5回以上同じ質問をされると、介護者はストレスがたまることは松本先生の話で分かっているわけですから、4回目の質問のあたりで答える内容すべてをメモします。
と4回質問を受けた時に、5W1Hすべてを網羅する回答をメモ用紙に書く、そして5回目以降はその紙を見せて、自分では回答せずに指差しで対応する方法です。上記質問に対しては、
Who(誰が)→ 息子と一緒に What(何を)→ 認知症の診察を受ける
When(いつ)→ 明日の朝10時 Where(どこで)→ A病院
Why(なぜ) → 症状を診てもらうため How(どのように) → 車で
5W1Hを網羅すると、母も質問しようがありません。聞きたいことすべてがメモに書かれています。
6回目も7回目も質問されますが、紙を見せて「これ読んでみて」とだけ言います。8回目、9回目と続いたら、その紙を本人の目の前に置くようにすると、次第と同じことを質問しなくなります。
認知症の人は意味もないことを何度も聞かない。(一部略)家族がやるべきことは安心感を与える絆づくりだ。(一部略)それだけで、記憶には残らないが安心して、しつこいことを言わなくなる
おくむらクリニック院長 奥村歩先生はこのように言いました。要はメモが安心感を与えて、不安に思ったらメモを見るという状態を作り出していると言えます。口頭で何度も返事する事自体疲れるので、紙で逃げられるというのも大きなメリットです。
このメモメモ切り返し法は、2年以上やってます。あくまで介護者自身を自己防衛するための対処法です。よかったら試してみてくださいね。 ネーミングのセンスがないな・・・コピーライターを探しますっ!
今日もしれっと、しれっと。
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