認知症の母が燃えるゴミ袋の中身を開けて広げてしまったあとの対策

音声配信voicyで話した内容の続きを、ブログに書きます。

11月9日に岩手県八幡平市で講演を終えたわたしは、車で盛岡駅まで送ってもらいました。車の中で社会福祉士さんといろんな話をしていたので、母の見守りを一切しませんでした。

盛岡駅に到着してすぐ、実家の母の様子を見守りカメラで確認しました。すると母は燃えるゴミの袋を台所の上に置き、袋を開いて中のゴミを広げていたのです。

思わず「ギャー」と叫んでしまった

盛岡駅近くの外で、思わず「ギャー!」と叫んでしまった理由は、母が触っていた燃えるゴミが相当やばかったからです。

まず使用済みのポータブルトイレの処理袋は処理袋自体を縛って廃棄しているのですが、ひもを解いて尿の入った袋を開けていました。他にも尿で汚れたリハビリパンツを出し、座布団の失禁を防ぐために使っている尿を吸収した防水シートも広げていました。

3日分あった燃えるゴミの袋の中身を台所中に並べ、さらに台所にあるテーブルの上で尿を吸収した防水シートを手で伸ばしていたのです。

すぐに止めて欲しかったので、見守りカメラから「やめてー、汚いからー!」と声をかけたものの、母は燃えるゴミの袋の中身をどんどんと出し続けました。

タクシーを飛ばしてすぐ帰宅するか、それとも自分の夕ご飯が先か。

母はデイサービスでご飯を食べていたので、夕ご飯はわたしだけです。悩んだ挙句、命に関わることではないと思って、自分の夕食を選択してラーメンを食べ、その後急いでタクシーで帰ろうとも思ったのですがお金がもったいないし、今さらどうしようもないと思って、普通にバスで帰宅しました。

燃えるゴミの今後の対策

実家に着いたら、居間で母が汚れたリハパンを触っていたのでそれも回収しつつ、台所の消毒を行って復旧しました。

わが家では燃えるゴミの袋をゴミ箱に保管しておらず、外のコンクリートの壁にあるねじに引っ掛けています。ある程度ゴミが溜まったところで、ゴミ袋を縛って外のゴミ保管所に移動し、盛岡市が自宅まで来て、そのゴミを回収してくれる仕組みです。

これまでも大した溜まっていない燃えるゴミの袋を、母が縛って片づけることはありました。そのゴミ袋は寝室や、鍋などが入っている台所の下の棚から見つかるのですが、今回みたいに中身を出して広げるようなことはありませんでした。

ただ今回の騒ぎを受けて、また同じことをするかもしれないし、もし自分がいない時だったら大変なことになると考え、自分が外出するときは毎回、母の見えないところにゴミ袋を移動するようにしたのです。

新たに、外のコンクリート壁のねじの位置から1メートルくらい離れたところに、新しいコンクリートフックをつけました。コンクリートの壁にハンマーで打ち付けるとピンが刺さる仕組みで、最近は燃えるゴミの袋をそっちに引っ掛けてから外出しています。

母がひとりのときはそれほどゴミが出ないのですが、わたしと一緒にいるときは使用済みリハパンとかおしりふきとかゴミの量がすごいので、今後外出するときは燃えるゴミの移動が必須になりそうです。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか