認知症の 「入浴拒否」 をうちではこう考えてます!

入浴拒否

いつもなら、認知症の「入浴拒否」とその対処法 というタイトルにして、我が家の例をご紹介するのですが、まだ未解決なので対処法という言葉をつかえません。また、喫緊の課題でないという思いもあるんです。

ムリして風呂に入らなくてもいいんじゃない?

まず大前提としてわたしが思っているのは、ムリしてお風呂に入らなくていいんじゃない ということです。世間の常識で考えれば、毎日お風呂には入るべき!となるんですが、人様に迷惑をかけなければOK!と思ってます。

母は2年・・・いやもっとお風呂に浸かるということはしてません。でも、臭くてデイの他の利用者さんから苦情が来たり、訪問ヘルパーさんが臭いという事はないんですよ。

72歳の母の代謝は落ちてますし、近くにいるわたしが臭いに鈍感ということもあって、生活に支障はありません。また髪の毛は洗うし、顔も洗います。ラッキーな事に??失禁もチョイチョイするので、下半身はシャワーで流してます。あとは上半身だけ(笑)

わたしより鼻が利く妹に確認したところ・・・ちょっと臭うとのこと。ということで、長期スパンでゆっくりこの問題を攻略しようと思っています。

手足が不自由なので、風呂場で転ぶことを母は恐れているんですよね。温泉嫌いなのも、これが理由です。お風呂での転倒事故も多いし、冬場のヒートショックも怖い。うちはそのリスクが一般家庭の何倍もあります。そして認知症の骨折は、本当に怖い!

だから今はデイサービスで入浴できないか・・これをゆっくーり模索している最中です。

今やっている入浴拒否対処法

1. デイサービスの他の利用者さんから、お風呂を促す
2.デイのお風呂は最高!と洗脳中
3. 写真を撮って、家のお風呂より安全だとアピール

デイ所長とお話していて、1.は独特の対処法です。職員よりも他の利用者さんから言われたら、意外と納得してお風呂に入るというものです。ふだんからお風呂を利用している方に、自然に会話を振るんだそうです。

2.は母をデイに行かせることに成功した手法を、再びやってます。「デイのお風呂、かなり評判らしいよ」「家で入るより安心だって、みんな言ってる」 これを2か月くらい言い続けてます。デイの時はじわじわ効いて、行ってくれるようになったので、今回はどうかな?

3.は百聞は一見に如かずを実践してます。写真を見せて、デイの浴槽の高さは低い!と言います。

うまくいくかどうかは不明です。今までで一番高いハードルであることは間違いありません。それでも、ゆっくりやっていこうと思っています。

とにかくやってはいけないことは、「なんでお風呂入らないの!」 「臭いでしょ、そんなんじゃ!」 と怒ること。そして、自分たちの常識を押し付けないことなので、いつか攻略できればいいなぁ・・・とゆるく考えてます。

お風呂に限らず、介護者目線で常識を押し付けがちなんですよね。入浴拒否に関わらず、あらゆる拒否は同じ発想が必要なのかもしれません。これくらいゆるく考えておけば、介護者がストレスを抱えることもないかなって。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

入浴拒否はかなり前からあって悩みのタネでしたが、
他の方も経験してると知るとちょっと心が軽くなります。
今は近くの大きいお風呂にさそって月に一度行く感じです。

猫屋万年堂さま

わたしはいい意味で諦めてしまったところがあります。手足が不自由だから転倒したら怖いとか、独居だから何かあったら大変という特殊事情もあります。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか