【認知症の進行】認知症の人は普通の2倍3倍のスピードで老化する

認知症介護をする前に家族が読むべき3冊の本 という記事でも紹介していますが、川崎幸クリニック院長 杉山孝博先生 のお言葉を借りると、”認知症の人は、普通の人より2倍から3倍のスピードで老化する” そうです。

最初にこの言葉を目にした時は、ものすごくショックでした。認知症になったうえに、老化のスピードまで加速してしまうなんて・・・認知症になりたくてなる人なんていないのに、さらに老化まで加速させるなんて・・・・

この悲しい事実を認知症の家族はどうとらえるか

認知症の家族の人はこの事実を、下記のように置き換えて考えるようです。

『老化が加速するということは、それほど認知症の介護する時間というのは長くない』 

切ない話なんですが、認知症の介護する側って、

『これって、いつまで続くの?』

という絶望感に襲われることがあります。先が見えない不安に、押しつぶされそうになったりします。一方でこのような事実があり、余命が普通よりもどんどん短くなっていくわけですから、与えられた時間をいかに充実させるか という事を考えるきっかけにもなります。

2倍から3倍で進むということは、1年が ”2年や3年” に相当するわけですから、うちの場合だと母は69歳で、今年70歳になります。でも認知症なので、この法則を当てはめると71歳、72歳に相当するということになります。 高齢者の1年は大きいので、そう考えると恐ろしいですね・・・

全員が当てはまるわけではない

うちは祖母(89歳)も認知症ですが、こちらは約10年前くらいから認知症だったようです。2倍の法則に当てはめると、祖母は100歳相当ということになりますが、祖母の場合はこの法則は当てはまらないと思っています。100歳という感じもないですしね。

全員が全員ではなく、おだやかに進行していく人もいれば、急加速する人もいます。あくまで統計的なデータ上、そうなる確率が高いということだけなので、それを阻止すべく、いろんな手段を家族としては打つことができます。

先の見えない不安が増してきたら、この言葉を頭の中で復唱してみる。そうすると時間に限りがあることが分かるので、目の前の介護をより充実させる気になるこの繰り返しかなぁ~と思っています。こちらの本に書いている話です。

上記本は入手困難なので、内容的にほぼ同じものがこちらです。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか