デイサービスに行く認知症の母に何を履いていってもらうか問題

デイサービスへ向かう認知症の母に、何を履いていってもらうか?

スカートかズボンかの違いではなく、下着の話です。話の前提として、母はテスト上では重度の認知症であり、ひとり暮らしです。ヘルパーさんにデイの送り出しをお願いしていますが、それ以外は母は自由に生活を送っています。

これまでとの違いはやはり、デイサービスに行っている最中や移動中にチョイチョイ失禁するようになったことです。以前は、デイスタッフの方のこまめなトイレへの声掛けによって、何とかカバーしてきました。

しかし、常に母だけを見ているわけではありませんし、特に送迎中は運転のほうが大切なので、どうしてもカバーしきれないことがあります。

遠距離介護のこの環境下で何ができるか、デイ、ケアマネ、わたしでいろいろ情報交換をして、このような形になりました。

マジシャンか!

母は服のあらゆるポケットから、マジシャンのようにトランプではなく、尿パッドを出します。

マジックで流れる定番のBGMをかけながら、ポケットから尿パッドを次々出したら面白いかな?なんて、しょうもない想像を何度もしましたが、要は母は失禁の不安が常にあって、それでポケットに尿パッドを忍ばせます。

ところが忍ばせたことを忘れるので、また別のポケットに尿パッドを入れます。すべてのポケットが尿パッドで埋まると今度は、デイに持って行くバックに尿パッドを入れてしまうのです。

デイのほうでは、送り出しをするヘルパーさんが、母に尿パッドを持たせていたと勘違いしていたようで、実は母自身が失禁の不安解消のために、自分で準備したいたのです。

失禁の回数が増えてきたら、通常はリハパンやオムツへの移行が見えてくるのですが、遠距離介護でひとり暮らしです。

母は自分が失禁しているとは思ってないし、失禁しても忘れるし、前ほど抵抗なくリハパンを説得できるようになりましたが、ひとりではリハパンは選択しません。さて、どうしよう??

すべて失禁パンツにする

ヘルパーさんにお願いして、リハパンを履かせる方法も検討しました。

しかし、母がデイサービスから帰ってくると、そのリハパンを洗濯機に入れて洗濯してしまうのです。数日後、岩手に居る妹が洗濯機の異変に気づき、洗濯のやり直しと、洗濯槽掃除をしないといけないのです。

尿パッドを何十回も洗濯機で洗濯してきましたが、リハパンのほうが吸水ポリマーの量が多く、被害はパッド以上です。かといって、ひとり暮らしの母の洗濯を止めさせる方法はありません。洗濯機を撤去するのではなく、できることは最後まで自分でやってもらいたい!

いろいろ考えたあげく、布パンツはすべて失禁パンツに変更することにしました。失禁パンツは、普通の布パンツに尿パッドが入っているもので、普通に洗濯して問題ありません。母は気づかずに、パッド入りのパンツを常に履いていることになります。

母が自由に洗濯できて、自ら選んで履いてくれるのが失禁パンツです。デイに迷惑をかけることなく、みんながハッピーになる方法を考えた結論がこれでした。

いつもわたしがamazonでパンツを購入するのですが、コロナ禍でなかなか実家へ帰れません。岩手の妹の家に、パンツが届くようにしました。というのも、母は分かったかのように荷物を開封し、開封した荷物がどこかに消え、しばらくして発見されることがあるからです。

認知症が進行して、いずれ洗濯ができなくなる日もやってくるはずなので、そのあたりにリハパン、そしてオムツへと移行していくと思ってます。

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか