【認知症介護】リハビリパンツへの移行に失敗したワケと失禁パンツの購入

認知症の母の失禁は、6年くらい前からありました。

母のプライドを尊重するため、最初は「普通の布パンツ+尿パッド」からのスタート。尿パッドは祖母が使って余ったやつだとか、くしゃみや咳で漏れたときに使うやつだとか、それっぽいことを言いまくった結果、割とすんなり導入できました。

しかし失禁回数が増え、いよいよリハビリパンツのお世話になろうと思い、母に勧めたこともあります。認知症が進行しても、プライドはしっかり保っている母は、リハパン=履きやすい紙パンツではなく、あくまでオムツの扱いなので嫌がります。

さらに遠距離介護のため、わたしとリハパンの練習をしても、ひとりなればまた布パンツ&尿パッドに戻るので、習慣化が難しいのです。

最近はデイサービスで失禁して、リハパンで帰ってくることも増えてきました。デイの連絡帳でそのことを知り、母にリハパンのありかを聞くとゴミに捨てたと。後日、タンスを開けると、使用済みリハパンが出てきて、ギャーー!なんてこともありました。

認知症が進行する前から、リハパン導入にチャレンジはしてきました。しかし、遠距離介護という壁や、今はさらにコロナ禍で難易度が増してしまったので、リハパン以外の方法で、母の失禁対策をできる方法はないだろうかと、ずっと考えていました。

母の失禁の原因

認知症の母の失禁の原因を冷静に考えると、

  • 77歳、年齢的にもトイレが近い
  • 手足が不自由で、トイレまでの途中で漏れてしまう
  • 実家が寒すぎて、夜中に失禁してしまう

わたしも実家に帰ると、寒すぎてトイレが近くなります。冬は理解できますが、夏場もそれなりに失禁はあります。

母の寝室に、ポータブルトイレの設置も考えました。しかし母はカタチは違えど「おまる」と変換するようで、トイレ自体をどこかに片づけてしまうでしょう。また、トイレと認識できない可能性も高いです。

リハパンもだめ、ポータブルトイレもだめ。いろいろ探していたところに、amazonで『あっ ショーツ 尿漏れパンツ』という商品を見つけました。いわゆる「失禁パンツ」と呼ばれるカテゴリです。

あっ ショーツ 尿漏れパンツ

『あっ ショーツ 尿漏れパンツ』は、軽失禁(40cc)と重失禁(100cc)用があるのですが、わが家では170㏄の尿パッドを使っているので、重失禁用を購入しました。

しっかりしたパッド入りの失禁パンツ
あっ ショーツ 尿漏れパンツのピーチを3枚購入

パッド部分は3層構造で、横モレ防止機能もついています。そしてパッと見は、普通のショーツに見えます。母のプライド重視で考えると、見た目が最も重要なので、現状ではこれがベストかなと。

パッドがしっかり入っているので、持つと失禁パンツと分かりますが、それでもよくできた商品だなというのが第一印象です。1枚2000円くらいしますが、今はこれしか方法がないでしょう。

デイサービスに行く日、母にこのパンツの説明をしました。見た目は普通、だけどしっかり尿漏れを防ぐからいいよと言ったところ、リハパンとは違い、意外とすんなり受け入れてくれました。

1枚買ってうまくいったので、しれっと3枚追加しました。少しずつ失禁パンツを増やしていって、気づいたらすべて、布パンツが失禁パンツになっていたという感じで行こうと思います。

数回利用して帰省したので、洗濯に耐え得るかなどまだ気になる点はあるのですが、このまま様子を見ます。認知症の進行とともに、リハパンを受け入れる時期も「きっと」来ると思うので、柔軟に対応していきます。

リハパンの移行に苦労している方は、失禁パンツも選択肢に入れてみてくださいね。

あっ ショーツ 尿漏れパンツ 重失禁(100cc) M ピーチ

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2件のコメント

認知症の義母を介護しています。我が家のリハビリパンツへの移行の話です。
トイレでパンツを下げるのが間に合わずに濡らすことが増えてきた時の声かけです。
「電車の運転手さんも、法要をするお坊さんも、途中で行きたいときにトイレに行けない人は、若くても紙パンツを履いてるんだって。その方が安心でしょ。おかあさんも「「トイレに行きたい」と思っても手が離せない用事ですぐに行けないことがあるでしょ?そんな時の安心のために履いておくといいよ」
これで拒否なくすんなりとリハビリパンツに移行しました。冬だったので、リハビリパンツの方がお尻周りが温かくなったのも良かったと思います。
以降ずっとリハビリパンツです。

おじゃんるさま

ステキですばらしい声掛けですね!
認知症が進行する前にこういった声掛けを連発していれば、こうはならなかったかもですね……。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか