わたしのブログで、恐ろしいほど記事のネタにしていないのが「ケアマネジャー」です。
認知症カフェ、他の介護ブログでも、ケアマネジャーの話は鉄板ネタですが、わたしはほとんど取り扱いません。なぜ書かないのか・・・それは、うちの特殊な環境がそうさせています。
うちのケアマネジャーの話
うちのケアマネは、亡くなった祖母からお世話になっているので、10年くらいのつきあいになると思います。わたしは、その半分くらいのつきあいです。
おそらく60代後半の女性で、看護師からケアマネになった方です。介護がスタートして半年くらいは、何かあればケアマネに電話していたのですが、割と最初の頃から噛み合わない点がいくつかありました。例えば、
- 紹介された系列のデイサービス見学にわたしが行ったら、あまりに母とマッチしてなくて絶望した
- いつも当日アポ(午前電話、午後来訪)で、月1回家に来る
(独居の母に合わせての訪問なので問題ないが、わたしが慌てる) - サービス担当者会議に何となく感じる、謎の上からオーラ
- 先日のケアプランの変更の話も、なんとなくスルーしたまま
- どことなくハートレス感があって、話を聞いてない
もちろん、お世話になったこともいっぱいあります。認知症の母がケアマネを覚えている、女性ケアマネである(母は男性を家に入れたがらないため)ということもあって、小さなことは気にしないようにしています。
うちが特殊なのは、ケアマネ以上にすごい人たちが周りにいるということです。医師・訪問看護師、サ責、デイの皆さん、ヘルパー、理学療法士・・・ケアマネに会う回数より、この方々に直接会う回数のほうが多いので、何かあったらケアマネを介さずにその場で質問してしまいます。ケアマネに会うのは1年に数回、それ以外の人に会うのは毎月です。
困ったら会う機会の多い人にまず聞いて、ケアプランの変更が必要なときはケアマネに伝えるという流れです。こういう動き方に対しては賛否両論があるみたいで、都内で会ったあるケアマネは「どんなことも、必ずケアマネに報告したほうがいい」と言ってました。「本来は家族や本人が主体にならなきゃだめで、ケアマネは代行。それでいい」という方もいました。
NHKあさイチでやっていた理想のケアマネ
先日のNHK・あさイチで、利用者家族によっては必ずしも積極的なケアマネじゃなく、受け身ケアマネがいいこともあると言っていました。わたしは前者がいいのですが、下手にケアプランをいじってくれるな!という家族もいるので、家によって違うのだと思います。
たぶん、うちのケアマネは受け身タイプです。年齢のせいにはしたくないのですが、60代のケアマネはそんなに積極的に情報提供してくれる方でもないし、わたしが集めた情報に乗ってくれる感じでもないです。わたしのこういう動きをよく思っていない可能性もありますが、何せお話する機会が他の医療・介護職の方より圧倒的に少ないです。
この状態が普通なのか異常なのか分かりませんが、わたしは不自由していませんし、今はこれでもいいかなと思っています。
優秀なケアマネジャーもいいけど
介護初期は何でも「ケアマネ、ケアマネ」と家族は頼りますし、優秀だと助かります。それゆえ、ケアマネ次第で介護がいい方向にも悪い方向にもいってしまいます。「認知症介護は、ケアマネ次第で大きく変わる」とかかりつけ医もよく言ってます。
「きっとこの方がうちのケアマネなら、もっといいのにな」と憧れることもありますが、今も決して悪くないと思っています。それは「自分で考えないと」という思いがあるからです。わたしは介護1か月目のデイ紹介の時に、「ん?母はこの系列デイでいいの?」と思ったことが、結果自分で考えるきっかけになりました。
何でもやってくれて頼りになるケアマネを家族は勝手に求めてしまいますが、制度上そういう役割でもないです。利用者家族を思考停止状態にさせず、家族の「やらなきゃいけないスイッチ」を押せる「普通の」ケアマネでもいいのかなと思います。そういう意味で、うちはこれで良かったと思っています。
介護のプロの人材に求めるもの
映画「毎日がアルツハイマー」の関口祐加監督のこのツイートが、本当に大好きです。
介護のプロの人材は、与えられたことをキチンとこなせる人材じゃあないよね。イマジネーションが豊かで、規則を上手に破っていけるような存在。臨機応変に動けて、周囲(政府も!)を抱き込んで、常にケアの本質を追求できるような存在。そして、Do what you loveな人。。。
— 関口祐加 Yuka Sekiguchi (@nautilus528) 2016年7月30日
ケアマネの皆さんも制度と利用者、利用者家族の間で悩み、苦しんでいらっしゃいますよね・・・でも、わたしの周りには上手に規則を破ろうと(利用者のためを思って)行動している人も多く、このツイートに激しく同意しています。 本当のプロは、与えられたことをキチンとこなせる人材ではない・・・いいコトバです!
厚労省のケアマネについて話し合った議事録もいっぱいあって、そういう視点で書こうとも思ったのですが、制度や本来の目的が分かれば分かるほど、深いお仕事で難しくなりそうなので、家族のわがまま視点で書かせて頂きました。
今日もしれっと、しれっと。
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10/19(土)宮崎県えびの市 → 講演の詳細・お申込みはこちら
くどひろさんが書いているように「利用者家族を思考停止状態にさせず、家族の「やらなきゃいけないスイッチ」を押せる「普通の」ケアマネでもいいのかなと思います。そういう意味で、うちはこれで良かったと思っています。」このようなスタンスでイイと思います。
私は介護福祉士として約20年間介護現場で働いてきましたが、そのうち約2年間ケアマネとして働いた経験もあります。
ケアマネとして働いた感想は「なんて報われない、やりがいのない仕事なんだろう」でした。(個人的な意見ですが・・・)ケアプラン作成や医師、家族、役所、リハビリスタッフ等との連携、日々変わる法令の勉強・・・。忙しい。まさに心が亡くなる感じです。本人(利用者)が見えなくなります。だから私は介護現場で介護福祉士として働く道を選んでおります。そのほうが本人が見えます。気づきや喜び、やりがいを感じるのは現場の方が多いです。あえてケアマネの理想をいうなら、「コーチング的なアプローチができるケアマネ」なのかなあと思います。
マー君さま
こちらにもコメントありがとうございます!
あれから4年が経過して、結局ケアマネはチェンジしました。その話もブログのどこかにあるはずです。
書類に囲まれて、ため息をついていたケアマネさんを思い出しました。おっしゃるとおり、コーチング的なアプローチをしてくださるケアマネさんいいです!