介護者として自分の「ぼっち度」を調べてみる

ひとり

ひとりで介護を抱えてしまうと、周囲や社会から孤立してしまい、誰にも頼れず疲弊しまうからダメとよく言われます。

もうひとつのストレスは、ひとりでいる自分、いわゆる「ぼっち」状態を恥ずかしいと捉えるのか、「ぼっち」でも楽しいと思える人なのかどうかも、介護ストレスに大きな影響を与えます。

「ぼっち飯」できますか?

皆さんは、抵抗なく「ぼっち飯」できますか?

わたしを例にすると、昔は年間240日くらいは、同じ職場の同僚とランチに行っていた時期がありました。

ランチは楽しかったですし、そのことに何の違和感もなかったのですが、マネージャーに昇進したことがきっかけで、ぼっち飯に切り替えました。

マネージャーに昇進したあとで、特定のメンバーとばかり食事していると、仕事を評価する立場として公平性にかけると思ったので、ぼっち飯を始めたのですが、ここであることに気づきます。

仲間とランチをしていたのは、ひとりでランチすると職場に友達がいないと思われる、ぼっち飯なんて恥ずかしいという思いがどこかにあったからではないかと。

実際ぼっち飯を始めてみると、なかなか快適でした。会社のランチ時間は決まっているのに、仲間を待っていると5分、10分と時間を失います。また、ひとりで本を読みたい、スマホを見たい日もあるのに、常に仲間と会社の話を年間240日もしているのは、時間の使い方を間違えていたのではないかと。

「ぼっち飯」も悪くないと思ったわたしは、ムリに仲間を作ったり、ランチに一緒に行ったりすることを止め、自分のペースで「ぼっち飯」を楽しむことにし、仲間とはたまにランチに行くことにしました。

仕事にも人間関係にも何も支障はなく、「ぼっち」を意外と楽しめる自分に気づきました。

介護における「ぼっち」

介護における「ぼっち」は、介護によって自分が社会から孤立している、友達がいない状況になることです。

健康で「ぼっち」を楽しめる介護者なら、介護自体は介護保険制度を使って人に頼りつつも、それほど「孤立」を恐れる必要もないのかなと思います。

「ぼっち」の最大のメリットは、人間関係の煩わしさがないことです。人の悩みのほとんどは人間関係というくらい、人で悩み、人で傷つきます。

それにSNSもある今は、むしろ「ぼっち」でいることのほうが難しい時代なのかもしれません。

わたしは人に会って仕事をする機会は、月に数回程度です。 社会的には「ぼっち側」に属していると思いますが、それほど気にはなりません。 メールのやりとりは常にありますし、SNSもあるのでゆるく誰かとつながっている感覚はあります。

「ぼっち」が苦手な人と話したとき、電車で通勤して、人混みに紛れていないと落ち着かないから、会社員としてまた働き始めたと言ってました。「ぼっち」を楽しめるかどうかは、人それぞれなんだなと。

自分の「 ぼっち度 」を計測してみる

みなさんの「ぼっち度」はどれくらいでしょう?

ぼっち度測定ツールが、NHKの福祉情報総合サイト「ハートネット」にありました。介護している人なら、ハートネットTV見たことあると思うのですが、妙なところで介護とつながりました。

わたしのぼっち度は42%でした。100%でぼっちを最大に感じていることになり、0%はぼっちと感じていないことになります。皆さまはいかがでしたか?

周りとたくさん接点があっても、常に「孤独」を感じている方もいるので、「ぼっち度」は主観的に考えるものなんだなと思います。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

 私のぼっち度は75%,なかなかですね。
 まあ,もともと人見知りで,口下手。この結果は当然です。

 実は終活の一環として,人付き合いの断捨離を行っています。
 父母の七回忌を節目に,きょうだい,親戚,職場,ご近所等々皆さんに対し,冠婚葬祭,懇親の類ご遠慮申し上げる旨お知らせしました。
 お陰で,心にもない歯の浮くような台詞も,遺影で初めてご尊顔を知る方のお悔やみも無用になりました。

 認知障害の促進要因に,周囲からの孤立が挙げられるようで,「ぼっち飯」は気楽でいいのですが,呆け防止のため,役割期待や役割取得を何にしようか,思案しております。

減速生活者さま

何回忌まで続けるか問題、わたしも祖母は七回忌で止めることにしました。
人づきあいの断捨離、確かに大切ですよね。気楽さゆえ、役割まで失うとまずいので、役割探し賛成です。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか