買い物におけるヘルパーさんの主婦目線とわたしの考え

ヘルパー 買い物

この6年でうちの母がお世話になったヘルパーさんは、15人くらいだと思います。

お願いしているお仕事は「買い物」と「燃えるゴミ捨て」と「デイサービス送り出し」、厳密ではないけどお薬カレンダーをチェックしてもらって、「お薬の飲み忘れの声かけ」も含まれます。

諸事情あって、わたしはヘルパーさんとお話する機会もあって、わが家の事情を「直接」説明することにしています。事業所の誰かひとりに伝えれば、家の事情が職員全員に伝わると思うご家族もいると思いますが、わたしは伝わらないのが基本だと思っています。

たくさんのご家庭を担当されていますし、ヘルパーさん同士の連絡が取りやすい事業所とそうでないところもあります。書面でお伝えしたことも過去にはありました。多少は有効だったような気がします。

面白いと思うヘルパーさんの個性

15人のヘルパーさんそれぞれに、「買い物の」個性が現れます。

認知症の母とのコミュニケーションの中で見つけた、好きな食材を購入してくださるヘルパーさん、いつもきっちり同じものを購入するヘルパーさん、母のリクエストどおりに購入するヘルパーさん、タイプはさまざまです。

いずれも感謝しかありませんが、最初のタイプのヘルパーさんには驚かされます。母が「ちくわ」好きだったなんて・・・コミュニケーションの賜物だと思います。

母のリクエストにはスイッチがよく入るのですが、最近は食器用洗剤をやたらリクエストしています。前はクリープ、その前は食パン、その前は白髪染めなど、こういうところにも認知症特有の「こだわり」の症状が現れてます。在庫がどんどんたまるのですが、生ものでなければなんとかなります。

冷蔵庫の横に基本となる買い物リストは貼ってあるのですが、その通りキッチリ購入してもらう必要もなく、はっきり言うとフリーで買い物はお願いしています。だから買ってくるものをみながら、わたしの知らなかった母の好物が分かったりして、意外と面白いのです。

うちはヘルパーさんが購入してきたレシートを、連絡帳に貼ってもらうようにしています。わたしはそのレシートと冷蔵庫の中身をチェックして、賞味期限を判断しています。うちの母は鮭3匹パックの場合、いきなり3匹焼いてしまっていつの鮭か分からなくなり、それをわたしが食べて腹を壊すということがあってからそうしてます。

あとは野菜が結構傷むのですが、いつの野菜か日付が貼ってないものが多いので、レシートでチェックしています。

安さを追求する主婦目線

例えば、3玉88円と1玉98円の日本そばがあったら、ほとんどのヘルパーさんは3玉88円のほうを購入してくださいます。ヘルパーさんでなくてもそうすると思います。

わたしの場合は、もし自分と一緒に生活する週だったら3玉、母ひとりで生活する時なら1玉を買うようにしています。賞味期限切れの食材をいつも廃棄しているわたしからみると、全部1人前でいいくらいかもしれません。

ただ難しいのは、全部1人前だと次の買い物まで食材不足になってしまうことです。貧相な食事(夕食にパンとコーヒーなど)を取ることもあるので、最近は以前ご紹介したエネプリンを冷蔵庫に常備して、低栄養状態を回避する工夫をしています。あとは野菜ジュースをAmazonで箱買いして、補充とか。

日持ちのするものは多くても大丈夫だけど、生もの系は割高でも少な目が希望です。と思ってはいるものの、冷蔵庫になんかある状態であれば、今のところなんとかできる母なので、生きていればOKというスタンスです。

母の頭の中の買い物はこんな感じ

わたしはね、冷蔵庫の残り物でチャチャっと料理しちゃうのよ。食材なくても、乾麺とかあるから
ヨーグルトはね、顔に塗って使っているの

と強がる母ですが、ヨーグルトを顔に塗っていたのはおそらく認知症になる前の話です。今はわたしが、大きなスプーンで2日間くらいかけて食べるか、賞味期限がきたものもは捨てます。

いずれ、ヘルパーさんに料理をしてもらう時期が来ると思ってますが、料理は母の生命線。あと5年、80歳まではなんとか料理し続けて欲しいのですが、どうかな・・・ヘルパーさんのおかげで、母は餓死せずに済んでます。

あとは介護保険制度がどう変わるのか・・・買い物は外されるかもですが、値段が上がってもお願いするつもりです。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

初めまして
栃木の特養で介護してます
お母さんは幸せですね、優しく見守ってもらえて
介護しゃとして見習いたいです

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか