介護者が健康であり続けるために必要な「罪悪感」と「達成感」のバランス

介護中の人の多くは常に「罪悪感」と「達成感」の両方を持ち合わせていて、そのバランスによって調子がいい日もあれば、深い悩みの谷へ落ちる日もあると考えました。

まずは介護中にどんな罪悪感を抱き、どんな達成感が得られるかを箇条書きにしてみました。

介護中に罪悪感を抱きやすい瞬間

  • 認知症介護中に、認知症と分かっているのに怒ってしまった罪悪感
  • 最期まで自宅で過ごしたいと言われていたのに介護施設に預けるときの罪悪感
  • 遠距離介護で家族を置いて帰るときの罪悪感
  • 家庭や自分の事情で、他のきょうだいに介護をお願いせざるを得ないときの罪悪感
  • 認知症介護中、ウソをつきたくないのに丸く収めるためにウソをついたときの罪悪感
  • 看取りの瞬間に立ち会うことができなかった罪悪感
  • ご近所や介護専門職のお世話になってばかりで、自分があまり介護できてない罪悪感
  • もっと一緒に居てあげたいのに、時間が取れない罪悪感

介護中に得られる達成感

  • 家族が希望する、ベストな病院や介護施設を見つけられたときの達成感
  • 介護中、本人からありがとうと言われたときの達成感
  • 平均寿命を超えるまで、面倒を見られたときの達成感
  • 介護保険サービスなど、満足いく態勢づくりができたときの達成感
  • 最期の瞬間に立ち会えたときの達成感
  • 介護が終えたあとの達成感

他にも様々な罪悪感、達成感がありますが、自分の中にある「罪悪感」と「達成感」のバランスを「罪悪感 < 達成感」にできると、介護者としてメンタル的に健康な状態にあるのかなと思います。

例えばメンタルの状態を10としたとき、罪悪感7:達成感3の状態なら「罪悪感>達成感」となり、日々の介護がうまくいってないため、精神的にもあまりいい状態とはいえません。

介護が終わった瞬間、罪悪感0:達成感10 になるかと言えば、わたしはなりませんでしたし、他の介護者の皆さんの言動を見ていても、何かしらの罪悪感は残るように思います。満足いく介護施設を見つけたとしても、いつか自分で介護すべきだったのかな?と思うこともあります。

結局、どんな場面においても罪悪感と達成感を自分の中に持ち合わせていることになるので、罪悪感をゼロにしようと思うのではなく、共存しつつ、その割合を減らすようにして、自分を健康に保てばいいのかなといつも考えています。

わたし自身の目標は、達成感7:罪悪感3で、今はその割合をキープできています。遠距離介護を選択しているので、できていないことはたくさんあるし、母にとってベストな環境でないけど、介護の態勢は整えているので、この割合になります。

介護中の皆さんは、達成感と罪悪感、どのくらいの割合ですか?

罪悪感も達成感もない疲弊した介護

介護で本当に疲弊してしまうと、毎日やらざるを得ないものになり、介護をこなしたところで全く達成感が得られません。ただの日常、ただの作業として介護をやってしまうと、罪悪感すら持てなくなり、もうどうでもいい状態になる場合もあります。

なので、罪悪感を持っていることは悪ではなく、むしろ健全な証拠だと思うし、その裏返しとして、小さな達成感も得られるのかなと思います。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。2012年から岩手でひとり暮らしをする認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。
音声配信Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか