介護家族が医療・介護職へ感謝の気持ちを示す方法

医者 介護職 感謝 伝える

だださんの介護ブログ『猫とビターチョコレート』に、こんなことが書いてあった。

我が家には昔からヘルパーさんに来てもらっているのだけれど、自分自身がヘルパーとして働くようになって初めて「これダメだったんだ!」と知ったことがある。無意識で、あるいは善意で、ヘルパーさんを困らせてしまうこと。それは「お茶出し」だ。
引用元:http://dadacat.net/blog/care/post-4168/

わたしも介護職の方へのお礼の仕方を、何度か間違えたことがある。

一番ひどかったわたしの間違い

今から6年前。

わたしは当時のケアマネに「祖母の次は、母がお世話になるからよろしく」と事務所にご挨拶に行った。

社会人としての一般常識、ケアマネに東京で買った菓子折りを持って行ったのだ。

しかし、ケアマネは「こういうものは受け取れない決まりになっている」という。

何度かチャレンジするも、ケアマネは頑なに「いらない」と。

よりによって、ケアマネの所属する事務所のソファで渡すなんて、無知にも程がある。

この件を機に、介護職の方へ「もの」を渡すことはやらなくなった。

祖母が亡くなり、病院へご挨拶するときは、病院のソーシャルワーカーに質問した。

「ご挨拶に行くとき、お菓子とか持って行ったら受け取ってもらえるのですか?」

「工藤さんから聞いてしまった以上、受け取れないのですが・・・」

含みを持たせてくれた回答で「聞いてしまったけど、聞いてなければ受け取る」とわたしは判断したので、病院へはお菓子を持って行ったことがある。

病院は、感謝の気持ちを受け取ったり受け取らなかったりすると思うのだが、皆さんの病院はどうだろう?

感謝の気持ちを表したい認知症の母

母は今でも、ヘルパーさん、理学療法士さん、訪問看護師さんが家に来ると、「お茶を出さないとダメよね」と必ず言う。

「決まりで、お茶は出しちゃダメなんだよ」と毎回言うのだけど、母はもらったものは必ず返さないといけないと思っている。

母の気持ちはよく分かるが、お茶を出してしまうと介護職の方も「断る」という仕事が増えてしまう。

「どうぞどうぞ」
「いえ、だめなんです」
「そんなこと言わずに、まぁまぁ」

介護の仕事以上に、気疲れさせてしまうことになる。

以前、お世話になった作業療法士さんとお別れすることになり、なんとか感謝の気持ちを伝えられないか・・・と考え、こういう方法で感謝を示したことがある。

介護職の方への感謝の表し方

本当は、作業療法士さんにお菓子をあげたい。

でも、受け取ってもらえないだろうし、向こうにも気を遣わせる。

いろいろ考えた結果、「母からの感謝の手紙」を渡すことにした。

当時のこの記事はそこまで読まれなかったけど、だださんのブログを読んで真っ先に思い出したのがこの記事。

わたしと母が、作業療法士さんに手紙を書くまでの一苦労を綴ったもの。

認知症 文章

認知症だから、作業療法士さんとの思い出がなくなっていて、感謝を示すのに苦労したという話だが、菓子折りはダメでも手紙ならお金もかかっていないし、それでいて気持ちは菓子折り以上に伝えられるのだから、これ以上いいものはないと思っている。

ただ、この記事のように感謝の意を伝えるのに、介護者は苦労するかもしれない。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか