在宅介護中になぜか便座にうんちがつく原因と対策

遠距離介護中に実家のトイレを使う際、何度もつぶやく一言がある。

くどひろ

どうやったら、こうなるの?

在宅介護の長年の悩みであり、問題は未だに解決していない。その問題とは、記事タイトルのとおり。母がトイレでどう行動したら、この状態になるのかが全く分からない。

だからわたしは実家のトイレを使う際、必ず1回便座の状態を確認する。もし汚れていたらトイレクイックルで拭き掃除をしてから、トイレを使っている。

便座の手前のところに便がつく(イメージ画像)

トイレの使い方を改めておさらいする

便座が便で汚れているということは、母がウォシュレットの使い方を忘れていることでもある。だいぶ前に「お尻を洗うときはココ」とウォシュレットのボタンの写真を撮って、ラミネートして貼ったが、今となってはあまり意味がない。

でもたまに、トイレからウォシュレットの音が聞こえる日もある。いつも聞いているわけではないので分からないが、1割か2割の割合で使えている気がする。

介護中の課題解決は、だいたい見守りカメラの映像から母の行動を分析して解決するケースがほとんど。でも今回はトイレの中。さすがにそれはできないし、やりたくない。とはいえ、5年? いやもっと長い期間、この状態は続いていると思う。

改めてトイレの手順を並べてみると、

  1. トイレに入って、
  2. トイレのふたを開けて、
  3. ズボンやリハパンを下ろして、
  4. 用を足す
  5. (使える日は)ウォシュレットを使って、
  6. トイレットペーパーで拭いて
  7. トイレのふたを閉める

認知症も重度まで進行したので、今からウォシュレットの使い方を特訓するのはムリがある。3が間に合わずに大惨事になる日もよくあるが、理由はハッキリしている。しれっと掃除を済ませればいいので、何とも思わない。今のところ、わたしの仮説はこうだ。

便座にうんちがつく3つの仮説

1つ目の仮説は、6のトイレットペーパーでお尻を拭くプロセスを忘れてしまうだ。

いつもではないが、リハパンがあり得ない感じで便で汚れているのを見ると、これは拭かずにそのまま出て来たんじゃないかって思う。認知症だから、いろいろ忘れるのはしょうがない。

2つ目の仮説は、手足が不自由だから。

便座から立ち上がる際、真上に立ち上がるのではなく、便座上で前のほうにスライドしてから立つ。その際に1つ目の仮説の状態でやるので、便座の前のほうが汚れてしまうのかもしれない。

あと便座の上だけでなく、便座の横が汚れている日もある。結構な頻度で。横になると、もう2つの仮説は意味をなさない。どうしたら便座の横の部分に便がつくのか?

認知症には弄便(ろうべん)の症状があり、いわゆる便を直接触ってしまうことをいう。亡くなった祖母にその症状があったので、便座の横に関しては軽めの弄便なのかもと思う。

その可能性があるので、母が手で直接触った水を流すハンドル、トイレットペーパーホルダー、扉のドアノブ、居間に戻るまでの通路の壁、そして母の手の消毒まできっちりやっている。

弄便の症状がハッキリでたら理由が分かるかもしれないが、とにかく便座が汚れる理由が分からない。実家のトイレを使うたびに、毎回トイレ掃除から始まるかどうか試されるので、若干ストレスに感じる部分もある。

さすがに同じような悩みを抱える介護家族は全国にいないと思うが、もし原因や解決方法があったら、コメントを頂けるとうれしいです。(追記:コメントありがとうございます!)

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10件のコメント

いつも大変参考にさせていただいています。私は81歳の夫の介護をしています。便がトイレの床や便座に付いていることはあります。原因は夫がお尻を拭く前に立ち上がり便を見ようとするため、便が周りに落ちることがあるのです。又、お尻を拭くのに使うトイレットペーパーがとても小さいことも原因です。トイレットペーパーを折り紙のように小さく折る癖が、いくら注意してもやめられないのです。よってもちろん指に便がつくことが多々あることになります。その指でトイレの蓋を閉めたりするので汚れます。ウオッシュレットの使い方は覚えられませんので、私は気がつく限り出来るだけ一緒に行ってウオッシュレットをしています。でもお母様の場合、一緒にトイレに入るのは難しいですよね。

ブリッジさま

「お尻を拭く前に立ち上がって便を見る」 

なるほど! この可能性はあるかもですね。母は手足が不自由なので、そのまま座った場所が便座の上なのかもしれません。

うちもトイレットペーパーを小さくたたむ癖あります。ただ使い道が違っていて、それをポケットに入れて持ち歩いたり、尿パッド代わりに使ったりするためです。とても参考になりました、ありがとうございます!

うちはトイレまで手引きで連れて行き、排泄介助も行っていますが、もしうちの母だったらと考えてみると。。。

1.拭き取り後、多めに便が付着したトイレットペーパーを便座の上に落とす。

2.便座に跳ねた尿やウォシュレットの洗浄水などが気になり、便が付着したトイレットペーパーで拭き取ってしまう。

3.便を拭き取る時の肛門への刺激により、拭き取り直後にまた少しの排便がある。

うちで有りそうなのはこんなところですかね
便の中の大腸菌が尿路感染した事もあるので、清潔を保つために排泄介助はかなり気を使っています。

見守りカメラさま

ありがとうございます。

うちも尿路感染が気になっているので、デイサービスで洗浄をお願いしています。3はうちもあって、うさぎのウンコみたいにポロポロ出る日があります。

うちの場合は
拭き取ったモノを一旦確認してから
戻す時の動作で便座に付いてしまうんです。
ちょっぴりの紙で拭くので指も汚れちゃうし。
父も母も同じような場所が汚れるので
何故!?と思いこっそり覗いて判明しました。

えいさま

ブリッジさんのコメントに近い部分もありますね。
紙を小さくたたんだり、ちょっとの紙で拭いたりするのは、紙がもったいないと思っているからなのか?
こっそりのぞく機会があると、わたしも判明するかもですね。

みなさん、似たようなご経験があるのですね…。
少量をさらに小さく折り畳んだトイレットペーパー、排便後の確認、再度の便意と排便、拭き忘れ、不自由な立ち座りによるあり得ない位置の汚れ。全て義母も同じ。私はひたすら掃除するのみです。

昨年の正月、床に落ちた便を、新しくおろした手拭きタオルで拭かれたときは流石にキレました…無言で。汚れたタオルはそのまま義母の部屋の椅子の背にかかっていました。

トイレの中まで付き添わない限り、対策は難しいと思います。リハビリパンツになっても状況は変わりません。トイレの外で待ち構えて『終わった?』『終わったけどまだパンツが…』『あ、すみません、入りますねー』といって入って介助することもあります。

かみゅさま

タオルで便を拭く、わが家も日常ですよ。うちはちょっと残った便をトイレじゃなくて、お風呂にしちゃうんで。それで紙が近くにないから、タオルで拭いてます。あまりにひどい時はすぐに廃棄しますが、ちょっとの便なら花王の消臭ストロングでつけ置き洗いをして使ってます。椅子の背にタオルをかける、これもよくあります。

ネットサーフィンをしていて、出会いました。
はじめましてです。
便座の前が汚れている現象。
うちもありました。
うちの場合は皆さんの想像とは全くちがいます。
原因はパンツの中の漏らしてしまった便でした。
汚れたパンツを普通におろし、便座に座ると、パンツの中の便が便座につくのです。
そんなことはないですか?

そんさま

コメントありがとうございます。
別サイトですが、似たコメントがありました。お尻の穴の周りを十分に拭いてない方で、広がっていると奥側にもついてしまうようです。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか