認知症の母が夜に居ないだけでこんなにも介護がラクになるとは!

認知症の母の骨折をきっかけに、住宅型有料老人ホームの自費のお泊りデイを活用するようになりました。

元々はシーネと呼ばれる添え木や包帯を骨折中の母が外してしまうので、それを阻止するためのお泊りでした。それこそわたしが帰京しなければならないときは、3連泊をお願いしたこともあります。

しかし母の骨折が治ってからも、お泊りデイは継続して利用しています。わたしが東京に居るときは週2回の利用、遠距離介護で帰省しているときは週1回の利用です。なぜ泊りを継続しているのでしょう。

泊りを継続した2つの理由

ひとつは母が家以外の場所でも寝られるよう、慣れてもらうためです。最後まで在宅で介護したいという思いはありますが、こだわりすぎて自分が自滅する可能性もあるので、お泊りを継続しています。

認知症がかなり進行しているので、自分が今どこに居るのかあまり把握できていないように思います。それもあってか、しっかり眠れているようです。

2つ目の理由は、わたしの介護負担を減らすためです。

母がデイサービスに行っている間、いつも自分の仕事をするのですが、あまり時間は取れません。母の夕食の準備をしないといけないし、買い物にもいかないといけません。洗濯や掃除まで加わると、わたしの仕事時間は正味2時間くらいでしょうか。

でもお泊りデイの日は、ずっとお仕事をしています。母が居て仕事ができなかった分を、一気に取り返せるのです。そして仕事のノルマを終えたあとは、ひとりでお酒を飲みに行きます。お酒を飲むなんて、11年の遠距離在宅介護ではなかったことです。

また東京に居るときも、母が泊りの日は見守りカメラによる見守りをしなくてよくなるので、東京でお酒を飲みに行くこともあります。

デイサービスがなければここまで遠距離在宅介護は続けられませんでしたが、泊りの介護負担軽減はかなり破壊力があり、介護がだいぶラクになりました。

認知症が進行して介護の負担が増えてきたところだったので、本当に助かっています。母にとっていいのかどうかはまだ判断がつきませんが、今のところはこのまま継続します。

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか