母が布団から出たあと、今までは近くの手すりまでハイハイで行って、手すりにつかまって何とか立てていました。そのあとわたしは母のお尻を触って、ズボンが尿で汚れていないか、リハパンに尿が溜まっていないか確認する、これが朝のルーティーンでした。
ところが、母が急に立てなくなったのです。朝はずっと家の中をハイハイで動くようになり、いよいよ在宅で介護を続けていくのは難しいのでは? そんな考えが頭をよぎるようになりました。
母はなぜ立てなくなったのか?
なぜ母が急に立てなくなったか、理由を探ることにしました。立てないのは朝限定で、昼頃には手すりを使って立てるようになります。だから夜間に何かあると思って、見守りカメラの映像を確認したところ、理由が分かりました。
母は右腕を下にして寝る日が多く、朝起きるとしびれるのです。利き手の右腕がしびれると力が入らず、それで立ち上がることができないのです。母に仰向けに寝てといっても、認知症なのですぐに忘れます。認知症というか、自分も修正できないかもしれません。
病院の受診を検討したり、作業療法士さんとも話したりしたのですが、単なる寝る向きの話なので、自分で何とかするしかありません。
そこで手すりの高さを変えれば立てるようになると思って、ニトリへ行きました。目的は手すりの購入ではなく、コタツの高さ調整です。というのも、母はコタツの天板に両手をついて立つので、コタツを少し高くしてみました。


しかし改善はされず、相変わらず朝はハイハイのままです。居間の掃除をした際に、コタツの脚のネジが取れてしまったのですが、母がすごい力でコタツにしがみついていたようで、母がひとりのときでなくてよかったと思いながら、他の策を考えました。
わが家では介護保険で置き型手すりをレンタルしているほかに、亡くなった父が使っていたシャワーチェアも手すりとして使っています。シャワーチェアは寝室を出てすぐのところに置いてあって、毎朝使っているものですが、これでも立てません。

本当に母を介護施設に預けるしかないのかと考え始めたとき、ふと介護の専門職の存在を思い出し、早速連絡してみることにしました。
福祉用具専門相談員さんが救ってくれた!
朝に母が立ち上がるときの動画を撮影し、それを自宅に来た福祉用具専門相談員さんに見てもらいました。すると一言。

息子さん、逆です。低くしてあげたほうが、お母さんは立てるようになりますよ。
福祉用具専門相談員さんに言われるまで、シャワーチェアの高さ調整ができることもすっかり忘れていまして。アドバイス通り、最も低い高さにしてみました。下の写真では、分かりづらいですが。

翌朝、母がシャワーチェアを使って立ち上がるところを黙って見ていたら、立ち上がったのです。これは魔法か奇跡かって思うくらい、あっさりと。そしてコタツの高さも、元に戻しました。立てないならひとりでは暮らせないと思っていたのですが、まだ在宅で粘れそうです。
そんな福祉用具専門相談員さんの大切さを説いた本、わたしが書きましたがこちらになります。この専門職を活用できるかどうかで、在宅介護で粘れるかどうか大きな差が生まれます。自分で言うのも変ですが、この本を書いてよかったなと改めて思いました。
こっちは最新刊です↓
今日もしれっと、しれっと。

睡眠時の体の向きは習慣化していてそれを変えるのはなかなか大変ですよね
うちの母は仰向けで寝るタイプですが睡眠中に痰や唾液で噎せ込む事も多く、去年誤嚥性肺炎になった原因のひとつとも考えられるので退院後はクッション等を使って横向きで寝てもらうようにしています。
母は結構嫌がりますが命に関わる可能性もあるので仰向け睡眠禁止令発動しています。
見守りカメラさま
確かにそうですね、誤嚥しにくいクッション売ってましたよね。
クッションのことを思い出して、マットレスを見直す手もあると気づきました。あとは尿漏れ対策だな……。