認知症の経過報告(2年と13週・14週間目) 銀行で暗証番号を聞かれフリーズした母

前回、「もの盗られ妄想」の対処法 「キーファインダー」 ってなに? では、モノが無くなったらキーファインダーというツールで探せばいいんだ!という事を書きました。

購入してすぐ、よく失くすボールペンと財布入り巾着袋に取りつけました。そのついでに我が家恒例、財布チェック(金額のチェックと、たまる小銭を両替して札にする)をしようとしたら、お財布がない、ナイ!

物盗られ妄想 対処法

巾着袋は100回以上探し当ててきたのですが、財布を失くすのは2年間で今回が初。ということで、捜索開始しますっ!

定番スポット探し、そしてデイへ連絡

今まで100回以上の捜索経験があるわたしは、それはそれは名探偵です。(今はまっている探偵ものは、名探偵モンク)家のここをチェックすれば・・・・あれ、ない。ここにあるはず・・・ん、ない。じゃぁ、ここは・・・ナイ!

次にデイサービスに電話。財布が失くなった事を伝えると、送迎車の中や施設内をチェックしてくれました。しかし、ありません。

「帽子を失くす方が多くて、だいたい3か月後くらいに家から見つかることが多いです」 とデイ所長。「わかります~、それ」 と言いながら電話を切ったのですが、結局見つかりません。

買い物先のデパ地下へ電話

デパ地下といっても単なるスーパーです。そこで買い物を、デイ職員と一緒にしている母。デパートに電話してみるものの、やはり届いてません。職員さんに支払時の財布を思い出してもらおうと思ったのですが、覚えてませんでした、そりゃそうだ。

自宅からデイへ送り出しするヘルパーさんにも確認しましたが、やはり覚えてません。ないっ!

銀行へ電話、いざ警察へ!

確か、キャッシュカードの裏に暗証番号を書いてた気が・・・これで引き落とされたら、保証されません。なのですぐ銀行に電話して、キャッシュカードを止めました。その後、自転車で15分かかる警察へ行き、遺失届を記入しました。

失くしてから1週間後

1週間経っても、家の中、施設、デパート、どこにもありません。明日東京に帰らないといけないので、キャッシュカード再発行の手続きをしに、母と2人で銀行へ。書類を書いていると行員が、

行員: 「暗証番号をこちらに記入いただけますか?」

母: 「・・・・・??」

いつもATMの操作はできるのに、なぜか緊張して思い出せません。付き添いのわたしは暗証番号を知っていたので、手に書いて、これでしょ?といって見せても、なぜか絶不調・・・思い出せないし、納得しません。

そして、母はこうつぶやきました。

母: 「生年月日だったかな?」

はい!NGワード・・・それを言ってしまったら、今の銀行では暗証番号として使えません。

行員: 「生年月日は暗証番号にはできません!別の番号にしてください!」

ときっぱり。ということで、全く違う暗証番号になってしまいました(泣)今後はキャッシュカードはわたしが保管し、ATMに行ったら横で暗証番号をつぶやくようにします。キーファインダーをつける前に、財布を失くすという奇跡(笑)

失くしたモノ

現金1万5000円(推測)、スーパーのポイントカード、美容室のポイントカード、財布自体

今までモノを失くしても、失禁してもへこまない母でしたが、今回の財布は初めてへこんでました。

母: 「お父さん(別居中の夫)がもしいたら、怒られてたわ。しかし動じないあんたを見てると、こっちも落ち着くわ」

「そういってもらえてうれしいよ・・・サラリーマン時代の理不尽な要求に比べれば、割と冷静に対処できるんだよ」 とボソボソ独り言を言いながら、家へ帰りました。

翌日東京にいる私に、母から電話がありました。

母: 「財布見つかったわよ!」

わたし: 「えっ、どこ!どこにあったの!」

母: 「ポーチの底に貼りついていたわよ」

そんなはずはない・・・厚みがあるから底に貼りつくわけが・・・・ヒアリングの結果、新しい財布を見て、見つけた!って電話してきました。2人で大笑いして、終わりました。しかし、どこへ行ったかな~、まっ、いいか、100万落としたわけでもないし。

今日もしれっと、しれっと。


【2024年講演会予定】
11/4(月祝)岩手県紫波町 → 講演の詳細はこちら

にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか