最近、父の相続のお話や出版の告知ばかりで、認知症の母があまりブログに出てこなくなりました。でも、遠距離介護は今までどおり続いておりまして、最近また母からよく電話が来るようになりました。



このやりとりは2年前にもよくあったのですが、最近またスイッチが入ったみたいで、ほぼ毎日2回ずつ東京のわたしのところへ電話してきます。わたしも介護者としての好不調の波がありまして、まず絶不調だったダメな例をご紹介します。




てな具合で、母の妄想に対して正論で立ち向かって怒らせてしまいます。わたしはいつも忙しくないのに、たまに忙しくなると余裕がありません。そんな時つい、正論言っちゃうんですよ・・・それで後悔して、「あぁ~、またやっちまった。学習しねぇな、おれ」って自省します。
しかし、最近は父が亡くなったこともあって、母がわたしに電話してくるだけでうれしいモードになっています。「うわっ、ちゃんと東京に電話かけられてる!」と思うことすらあって、超寛容モードのほうが圧倒的に多いのですが、たまにこういうミスをします。ちなみに超寛容モードの場合は、こう切り返します。




これはわたしの作り話ですが、お互い笑って終えることができます。母の深層心理にはどんな思いがあって、こういった妄想になるのでしょうか?それは、
人から何かもらった場合、必ず何かお返しをしなければならない
これです。
デイで他の利用者さんが作った折り紙は、金銭的な価値はないかもしれません。しかし、何かもらってしまったということに対して、必ずお返しをしないと母は気が済まないのです。家にはその折り紙があって、それが目に飛び込んでくるたびに毎回毎回「お返しをしなきゃ」と思う、でもお返ししたかどうか記憶もないし、分からない、そしてわたしに電話をしてくるの繰り返しです。
妄想への対処法
こんな時の対処法は2つしかなくて、
- 時が過ぎるのを待つ
- 折り紙を隠す
これだけです。1のパターンで成功した千羽鶴が居間に飾ってあるのですが、今回はわたしに余裕がありません。相続は終わらないし、新刊の発売前です。それで2を選択して、折り紙を隠すことにしました。すると、母のお返ししないといけないスイッチは消え、電話も来なくなりました。
妄想のストーリーとしてはどうかなとは思うのですが、すごくまじめな母なんだと思います。ものでなくて感謝の気持ちを伝えるだけでお返しになると思うのですが、やっぱりものとかお金で返さないとバランスがとれないと思っているんでしょうね。
電話が鳴るたびに「また来た・・・」と正直思いますが、生きている証拠なんですよね。認知症の症状が進んで、できないことも増えてますが、電話はできるんですよね。やっぱり父の死の影響で、かなり母に対して寛容になり過ぎてます。この効果はいつまで持続できるかな・・・
今日もしれっと、しれっと。

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