認知症の経過報告(46週間目・47週間目)・母と回転寿司に行った結果

久々に、母と回転寿司(はま寿司)に行きました。(3月6日より、春ねた祭実施中!)

うちら親子は母が歩くのが不自由なので、外出時は下記写真のように常に腕を組んで歩きます↓
カップル

写真が美男美女過ぎますが、これをおっさんとおばあさんに置き換えて想像してみてください。腕を組みながらはま寿司へ入店し、テーブル席に着席しました。

わたし: 「なに食べたい?」

母:    「あんたと同じでいいわよ」

母:    「今日はわたしが払うからね!」

わたし: 「あ、そう。サンキュー。じゃぁ最初は日本近海産生しらす 2枚ねー」 
(タッチパネルで注文)

母:    「トイレに行きたいんだけど・・・」

わたし:  「えーー、このタイミングでーー、どうしても今?」


母:    「いま!」

上記写真の感じで、腕を組みながらトイレへ。

母がトイレに入ったのを確認して、わたしは猛ダッシュでテーブル席に戻ります。


生しらすが来ちゃうんで!!

でしばらく、待つんですが・・・こういう時に限って、生しらすが来ない!! 

テーブル席からトイレは見えるので、母がトイレから出てきたらすぐ走って腕を組んで一緒に席に戻ればいいんですが、生しらすが来ません!!

あまりに来ないので、今度はトイレ前まで行って母を待機です。しかし今度は、


母が出てきません!!

待っている最中、ある事を思い出しました。はま寿司のタッチパネルってご丁寧に、

「まもなく 生しらすが到着します!」

って、言うんですよ。わたしは今、トイレ前で待機中だし、誰もいない空のテーブル席で 「生しらすコール」 がむなしく響くのもいや。取り損ねた周回遅れの生しらすもいや。回転寿司のレーンが長いんで、1回スルーすると結構待たされるし・・・

我慢できずにまたテーブル席に戻ると、レーンの ”裏側” に生しらす発見!!! 

そろそろ来るぞー と思って、今度はトイレに目をやると、ここで母登場(涙) 生しらすとかぶってるし・・・・

何も今、出てこなくていいのに・・・と思いつつ、下手に歩いて転ぶとまずいんで、猛ダッシュでトイレまで行って腕を組みました。

振り返ってレーンを見ると、生しらすがテーブル席に迫ってます!!かなり焦ったわたしは、運動会の二人三脚状態に。親が必死過ぎて子がついて来れない、まさにあの状態。

二人三脚

すると、

「まもなく 生しらすが到着します!」

のコールが。

ま、間に合った・・・・生しらす。

わたしの苦労などつゆ知らず、母は平然と生しらすを食べ始めます・・・・すると母が、

母: 「生しらすをアナウンスする人は、どこにいるの?」 (つぶ貝をとりながら)

わたし: 「いやいや、機械がアナウンスしてんの!」

母: 「そっかぁー、ハハハ」 (またつぶ貝とる)

わたし: 「・・・・つぶ貝、続けて食べるの?」

母: 「え?さっきもつぶ貝食べた?」

わたし: 「いま、食べたよー なに食べたいか言ってくれたら、タッチパネルで注文するから」

母: 「じゃぁ、厚焼き玉子。うまく家では焼けないのよね~」

(タッチパネルで注文し、3分が経過)

タッチパネル: 「まもなく、厚焼き玉子が到着します」

ここでわたしは、”敢えて” 黙ってレーンを見つめる事に決める・・・・ご注文品の厚焼き玉子の皿が、母の前に近づいてきます。

わたしの心の中: 「頼む、気づいて取ってくれ!厚焼き玉子!!!」

心の叫びもむなしく、無常にも厚焼き玉子の皿が目の前を通過・・・・・・・・・ カーリングのストーンのように、スーって。

見過ごすわけにはいかないので、慌てて私が厚焼き玉子を取って渡すと、母はこう言いました。


母: 「これ、なに?」

はま寿司って赤い皿と黒い皿があって、どちらも平日90円(税抜)なんですけど、母の中では ”黒い皿は高い皿” だと思い込んでいて、

母: 「あら、高い皿いっぱい食べちゃった。どうしよう・・・」

わたし: 「平日は90円だから、いくら食べても大丈夫!」

母: 「あ、そう・・・」

(5分経過)

母: 「あら、高い皿ばっかり食べちゃった、どうしよう・・・・」

わたし: 「平日は90円だから、いくら食べても大丈夫!」

(さらに5分経過)

母: 「あら、高い皿ばっかり・・・(以下省略)」

このエンドレストークを繰り返していると、母がまた、つぶ貝を取ろうとしています。

もーいーだろ、つぶ貝は!(笑)

でお会計は、わたしが払いましたwww?

なんか最近、暴走モード突入なんですよね・・・回転寿司ももうちょっと普通な感じだったんですが、すっかりブログの “ネタ” になってしまいました(笑)


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

2022.8に母がアルツハイマー型認知症の診断を受けた者です。

以前、回転寿司行きました。
うちの場合はメニューを決められない。
“何が食べたい?”→”何を選んだらいいか分からない”が定形のやり取りです。
確かに嫌いなネタは無いと思われるので、
“(メニューを指し)これにする?”→”それにする”
を繰り返して注文します。
もちろん後から届いた皿を見て、
“これ何だっけ?”
…というのが一連の流れ。

回転寿司は少食に対応出来るから、外食するには
いいのですがね…

あおいさま

そうなんです。小食に対応できるからいいのですが、最近の回転ずし騒動で足が遠のきそうですね。
9年前の記事を改めて読んで、母のそんな時期もあったなぁと思い出しました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか