認知症の母との「もの探し」わたしの想像のはるか上をいってた話

認知症の母がものをなくしては、「誰かにあげた」「(くどひろの)義弟や妹が持っていった」と、人のせいにする「もの盗られ妄想」は、わが家の日常です。

わたしが帰省したら、ほぼ100%出くわす母の症状なのですが、これを解決するためにフル活用しているのが、本でもブログでも何度もご紹介している「キーファインダー」です。

認知症の人が物を失くした時の救世主「キーファインダー」2代目を購入しました!

2018.02.16

送信機と受信機があり、送信機のボタンを押すと、受信機が音で反応する便利グッズです。多くの人は玄関の鍵、スマホの紛失対策に使っているのですが、わたしは認知症介護をラクにするために使っています。

7年目に突入した、もの探し。母の行動パターンを知り尽くしているわたしは、キーファインダーがなくとも、だいたいどこに母が財布をしまうのか、分かるようになってしまいました。

一番失くすのが財布で、今回もどこかに母が財布をしまい忘れました。

今回の母の言い訳は、「デイサービスに預けた」でした。「デイは、銀行かよ!」と、思わずツッコミを入れたくなる母の取り繕いでしたが、それは心の中に留め、家の中を探しました。

いつものところにあるだろうと思い、何か所か探してみたのですが、財布は見つかりません。そこで、キーファインダーの「ピピピ」という音で探してみると、部屋のどこかで鳴っています。

キーファインダーの音で、家の中に探し物があるということは特定できます。しかし、それがどこにあるかまでは特定できません。大きく音が鳴っている場合、その音の鳴っているところに近づけば、探し物は確実に見つかります。

しかし、かすかに「ピピピ」となっている場合、どこに探し物があるか分かりません。今回も居間、台所を中心に10分以上探しても、出てきません。でも、「ピピピ」の音は、かすかに鳴っています・・・おかしい・・・どこだ?

30分以上探して見つからない場合、いつも一旦諦めることにしています。だんだんイライラしてきて、わたしが腹が立つからです。そんな時は、3か月くらい先に見つかることを想定し、新しい財布を用意します。

しかし今回は母が珍しく、自分の財布を一生懸命探しています。

「どこ、どこにいったのかしら」「デイに預けたんだけどな」

認知症の人はすべてを忘れているわけではないと思う理由

20回に1回くらい、もの探しで奇跡が起きることがあります。

母がしばらくして、「あった!」と声をあげました。

「ん? 母はどこにいる?」

財布があった場所は、仏壇のお線香やろうそくがしまってある引き出しの中。小さな引き出しに押し込めるようにして、財布は入っていました。

わたしの7年のもの探し履歴の中に、仏壇の引き出しはなかったし、居間でも台所でもない、第3の部屋に財布はありました。かすかにピピピと音が鳴っていたのは、対象とする部屋になかった、でもキーファインダーは遠くで反応していたということです。

でも、しれっと母はそこから財布を見つけてしまう・・・おそらく、記憶のふかーい所では、母自身がそこに財布をしまったことを覚えているということなんだと思います。

奇跡が起きるときはだいたい、母が不思議なところに財布をしまっていて、それを自分自身で見つけます。

認知症の人はすべてのことを忘れるわけではないとよく言いますが、母の行動を見ていると、本当にそうだなぁ・・・財布をしまった記憶はどこかに格納されていて、でもそれを脳が取り出すことができないんだなぁと。

わたしが、今までつい声を荒げてしまったこととか、同じこと何度も言い過ぎ!と言ってしまったこととか、母の記憶の引き出しのどこかに格納されているんだろうな。

母の脳にちょっとお邪魔して、記憶の引き出しから、自分にとって都合の悪い記憶のファイルだけ抜き取ってもいいですかね?わたしの中ではルパン三世のイメージで文章を書いているのですが、もう遅いか?

ワンピースのプリンちゃんの能力があれば、母の記憶の中でわたしは立派で優しい息子になれるのですが・・・。

GPSつきのもの探し系グッズもあるのですが、うちの場合は家の中で、もの探しの精度を高めたい・・・新しいグッズ探しをAmazonでやろうと思います。そうだ、あの人に相談してみよう!

今日もしれっと、しれっと。

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ABOUTこのブログを書いている人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!NHKニュース「おはよう日本」でこのブログが紹介されました。連載:介護ポストセブン(小学館)、著書:ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか