認知症の薬は飲み忘れより飲み過ぎに注意!3回分を一気飲みしてしまった母のプライドと今後の対処法

麻雀の一気通貫

わたしの日課は、お薬カレンダーのチェックです。

朝はプレタール50mgとフェルガードF、フェルガードB、夜はプレタール50mgとフェルガードFを飲んでいるので、いわゆる認知症のお薬は全く使っておらず、サプリメントが中心です。

75歳にもなれば多剤服用していてもおかしくないのですが、母はこれしか飲んでいません。アルツハイマー型認知症、シャルコーマリートゥース病以外は、健康なのです。

いつものようにお薬カレンダーをチェックすると、2/28夜、3/1朝を飲み忘れていました。なので、飲み忘れ分をまとめ、3/1夜の分と一緒にテーブルに置きました。

合計3セットを見た母は、いつもならこう言います。

あら、飲み忘れているわね、どうしたらいいの?

その場合、薬の服用がない昼に飲んでもらったり、わたしが回収したりしています。

その日のわたしは、3セットをそのままにしてお風呂に入り、髪の毛を乾かしてました。テーブルにふと目をやると、あるはずの薬とサプリがな、な、ない!

よく、台所の引き出しに薬を片付け、母は飲んだつもりでいることがあるのですが、調べてもありません。それでお薬カレンダーを見ると、飲み終えたサプリメントとお薬の空袋が、しっかりポケットに入っていました。

そもそもお薬の処方がかなり少ないことは分かっているので、プレタールを3回分一気に飲んだとしても、大した影響はないだろうと。問題はフェルガードに含まれるフェルラ酸を、そんなに大量摂取して大丈夫か!ということでした。

母の様子を見ること90分・・・特にいつもと変わりはないようです。でも、もし今、スルーして後悔することになったらイヤだなと思い、まずはかかりつけの24時間対応の診療所の電話に連絡。タイミングが悪かったので、次に薬剤師さんにも連絡をして、確認しました。

結論から言うと、わたしも含め全員大丈夫という判断でした。ただ、翌朝の母が言ったことは「夜中に男の人が来て、この写真を褒めてた」という妄想でした・・・たまにこういうこともあるのですが、やはり影響はあったのか?

念のため、その日の朝のお薬はわたしが回収し、今後の対策も考えました。

お薬カレンダーの取り繕い

母がお薬をきちんと飲んでいるという証拠は、うちの場合はお薬カレンダーを見れば分かります。飲み終えた袋を戻す運用なので、袋がカレンダーにきちんと戻っていれば、母はお薬を飲んだという証明になります。

しかし、その運用をやっているがゆえ、母はお薬カレンダー上で取り繕っているという推測ができます。

わたしがいなくて1人のとき、母は何度もお薬を飲み忘れています。しかし、それを看護師さんやわたしに指摘されるのがイヤなので、飲み忘れてしまったお薬を、とにかくゼロにしようという行動をしているのではと。今までも、2回分くらいの一気飲みはあったかもしれません。

うちはサプリメント中心なので、それほど大きな害はないのですが、これがアリセプトでしかも処方されている量が多かったら、大ごとです。

母はこの「薬の取り繕い」の習慣が身についているようなので、今後たくさんの薬を飲むようになったとき、これはヤバいなと。

うちはいろんな方がほぼ毎日、自宅に出入りしているので、見つけたら即回収という方法にしていきたいと思います。

一気に3回分のお薬を飲んでも、母は気づかない・・・こういうとき、認知症の進行を感じます。前はこんなことなかったのに・・・

わたしが慌てていたので、母も「明日、わたし死ぬの?」なんて最初は言ってたのですが、そのままわたしが慌て続けているとそのイヤな記憶だけは覚えていそうな気がしたので、わたしは場所を変えクールダウンして、母が忘れるのを数分待ったら、何も言わなくなりました。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか