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認知症の母のボディタオルの意外な使い方

お風呂で体を使うときに使うボディタオル。

わたしはいつも、浴室にあるタオル掛けに自分のボディタオルを掛けておく。それ以外のお風呂道具(シャンプー、リンス、ボディソープ等)は、100均で買ったカゴに入れて自分の部屋に持ち帰るようにしている。

本当は浴室に置いたままにしておきたいところだが、母が思わぬ使い方をする可能性があるので、万が一のためにわたしのお風呂道具一式は逃がしてある。

ちなみに母は自宅のお風呂には入らず、デイサービスのお風呂を利用している。

ある日のこと。

母がデイサービスから帰宅した直後に、玄関先で尿失禁。自分で処理をしてもらおうと思い、母をお風呂場へ誘導し、替えのパンツとズボンをわたしが用意した。

何分かして母が失禁処理を終え、浴室から出てきた。脱衣カゴには尿で汚れたズボンとパンツがあり、そしてボディタオルもあった。ん?

なんでボディタオルがココに? と思ったが、母のこの行動からこれまでを想像しゾッとした。

母は尿便失禁をすると、とりあえずお風呂場に行く習慣がある。そこでシャワーで洗い流すのだが、洗い場は地獄と化す。トイレットペーパーの紙くず、尿、小さな便などが散乱するのだ。

認知症だから証拠隠滅が不十分で、すぐわたしに見つかる。そのあとわたしがお風呂に入らないといけないので、お風呂場の掃除は1日に何度もやる日もあるし、便の処理も必要なのでビニール手袋をして、排水口の掃除も何度もやる。

そして、ボディタオル。

おそらくボディタオルを普通のタオルと認識している母は、自分のお股とかをボディタオルで拭いたから汚れた下着と一緒に脱衣カゴに入っていたのだと思う。

母は風呂場で、タオルを使って失禁処理をする習慣が抜けない。シャワーで流すのかと思いきや、なぜか最初にタオルで拭き取るから、いつもタオルは尿便で汚れる。簡単には落ちないから洗面器でつけ置き洗いし、あまりにひどい時はすぐ廃棄する。

わたしはそんな処理をしていたボディタオルで、今まで体をこすって・・・ギャー!!

恐怖のタオルの記事を前に書いたが、まさかこのボディタオルまで含まれるとは。この事件があってからというもの、ボディタオルも自分の部屋に持ち帰るようになった。

今の母には、ボディタオルと普通のタオルの区別はつかないだろう。はい、使ってくださいとばかりに、浴室にボディタオルを掛けておいた自分がアホすぎたのだ。

こうやってわが家では母に間違った使い方をされないよう、いろんなものを隠しまくっている。

音声配信voicyの最新回は、遠距離介護ハイシーズンなので不安要素3つを語りました↓

今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

【音声配信Voicyパーソナリティ】
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