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サポートなしで認知症の母に夕食を作ってもらった結果

夕食

3月31日を最後に、盛岡へ帰省できていません。これまでの7年間の遠距離介護で、1か月以上帰らなかった経験はなく、ここからは未知の世界へと突入します。

認知症の母に「普通の」夕食を準備してもらうために、わたしはいつも下記を行います。なぜこの準備を行わないといけないかについて、カッコの中に理由を書きました

  1. 母ができる料理の中から、わたしが献立を決める
    (献立を決めないと、謎の炒めもの料理が完成してしまう)
  2. わたしが近所のスーパーへ行き、必要な材料を買い揃える
    (母は歩行介助がないと外を歩けないので、わたしが買い物へ行く)
  3. 台所にある冷蔵庫にマグネットで付いているホワイトボードに、夕食の献立を書く
    (ホワイトボードに書いてあることを実行する習慣が、母にはある)
  4. 米を研ぎ(1合以下)、炊飯器をセットする
    (母にご飯を炊いてもらうと、必ず3合炊く(2人なのに))
  5. 夕食に必要な食材、調味料、調理器具を、台所にキレイに並べる
    (食材や調味料を並べておかないと、忘れて味がおかしくなる)
  6. 夕食で使う食器をチェックして、用意する
    (洗い忘れた汚れたままの食器や箸を、平気でまた使おうとする)
  7. 母はホワイトボードを見ながら、目の前にある食材や調味料を使って料理する

コロナの今は、岩手県に居る妹にわたしの役割をお願いしているのですが、上記については引き継いでいません。ある日の母と妹の夕食は、これら手順をすっ飛ばして作ることになったそうです。

LINEで送られてきた夕食の写真に驚く!

妹から突然、夕食の写真(すぐ下)が送られてきました。

夕食

よーく写真を見ると、おかしなところだらけで。

メニューは、ご飯、味噌汁、鮭、タラ、焼うどん、三色豆、ぶどう。

まず、ご飯のおかずに、焼きうどんって!

そして、焼き鮭とタラって、焼き魚がかぶっとる!

妹に聞いたら、完全に母にお任せしたらこうなったとLINEに書いてありました。

焼うどん(みそ味)は、母の昔からの定番料理です。何度も作ってもらっていますが、食べるときは単品で、それ以外のおかずは並びません。しかし、今回はお好み焼き定食のお好み焼きのように、おかずの顔して、しれっと食卓に並んでます。

そして、鮭。鮭を焼くのも、母の定番です。ところがなぜにタラまで焼く??

考えられる理由は、ホワイトボードに献立を書かずに魚を焼き、焼いたことを忘れてまた魚を焼いたか、冷蔵庫にあったタラを見つけ、反射的に焼いてしまったかのどちらかだと思います。

影ながら母の自立のために、料理のサポートを何年もやってきたわけですが、一切サポートをしないと、こういう夕食になっちゃうんですね。

一方で、この写真を見て「母らしいな」とも思いました。

寮母で料理が生きがいだった母は、とにかくたくさんの種類の料理で人をもてなし、喜んでもらうことが大好きでした。わたしの友人を東京から毎年のように招いたときは、いつもテーブルいっぱいに料理を並べ、友人たちも「すごい、これは食べられない!」と必ず言うほどでした。

下の写真は、2007年に認知症になる前の母が作った料理です。13年後の今の料理の写真と並べてみると、寂しく切ない気持ちになったりもするのですが。

夕食

ちなみにこのテーブルの皿をいくつか片づけると、さらに追加の料理やら、デザートやらが運ばれてきます。人にもてなすのが大好きな母で、改めて写真を見ると驚きです。

「テーブルに隙間があることが許せない!」と言っていた、当時の母の姿を思い出しました。その名残で、妹に対してもきっと、テーブルいっぱいに料理を並べたのだと思います。認知症の進行で、料理の組み合わせはおかしいのですが、思いだけは十分に伝わる写真でした。

要介護2で、長谷川式認知症スケール30点満点で12点しか取れない母なので、これだけやれれば合格です。コロナの長期化だけが心配です。

今日もしれっと、しれっと。

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4 件のコメント

  • お母さま、すごーい!私、今は55歳の専業主婦で一汁三菜を三人前作るだけでしんどいのに。料理づくりが得意な人は、器用で頭の回転が早いのでしょうね。憧れます。今のお料理も充分凄いです。認知症の人は初期でも料理を全くしなくなることも多いのに。もともと能力が高いかたでなのしょうね?
    7時のニュースで工藤さんのお姿拝見しました!文体そのままの感じ良い、整ったお顔立ちの方でした、お母さまもオシャレで若々しいです。

  • お松様

    コメントありがとうございます!
    はい、母の料理は本当にすごかったです。レパートリーは9割減、今は味なしの料理が出てくることもありますが、それでもやる気だけはあります。

  • 料理は認知機能を測る重要なバロメーターですね。
    うちの母も料理好きでしたが、今では
    バリエーションが驚く程減ってしまいました。以前は帰省すると必ずご飯を作ってくれていましたが、今ではチーンと座ったままです。汗 一時は不憫でお弁当も考えましたが、くどひろさんの記事を読み考えが変わりました。得意料理も無くなり寂しくはありますが、自分達のご飯はギリギリまで頑張って作ってもらおうと思ってます。
    できる事は取り上げず(実際は取り上げた方が楽な事もありますが(^◇^;))どうサポートしていくかを考えていきたいと思います!

  • やもめさま

    コメントありがとうございます!

    おっしゃるとおり、自分でやった方が早いこともあります。わたしは抗認知症薬よりも、できることをギリギリまでやってもらうほうが認知症の進行を遅らせる効果があるとわたしは思っています。

    もしよければ、わたしが実際料理をサポートするテレビ映像がありますので、ご覧ください!
    https://40kaigo.net/long-distance-care/37188/

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    ABOUT US

    介護作家・ブロガー
    1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。認知症の祖母(要介護3)と母(要介護2)のW遠距離介護からスタート、悪性リンパ腫の父(要介護5)の在宅介護も経験。東京と岩手を年間約20往復、遠距離在宅介護歴8年目の現役介護者。NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで介護の模様やブログが紹介される。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
    【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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