遠距離介護と生命保険と認知症とのはなし を前回書いた時は、軽度の認知症の母(69歳)が普通に生命保険を契約しそうになって、遠距離介護の怖さを痛感したって話だったんですが、今回は訪問販売編です。
駅弁売りのような訪問販売
突然我が家に、駅弁売りのような若い男の子が来ました。我が家に誰か来た時は、まずは母に対応してもらって、わたしは家政婦は見た的に、後ろの方からそーっと会話を聞くようにしています。で、扉の隙間から玄関を見ると、見た感じは20代で、ケースの中にはいろんな種類のおまんじゅう、焼きそばなどがあって、母がどれにしようか悩んでいるところでした。
認知症の母とはいえ、子を思う気持ちは変わりません。珍しいからと、わたしにおまんじゅうを買おうとしていたところでした。裏でこのやりとりを聞いていたわたしが何を思ったかというと・・・
1.一応、訪問証に会社名と名前が書いてあるから、そんなに怪しくはないんだろうな
2.おまんじゅうは最初だけで、そのうちなんか高額なもの買わせるんじゃないの?
3.1回買ったら、何回もうちに来て買わせるんじゃないの?
1→2→3 と自分の中で怪しいフラグが立ったところで、扉を開けてお兄ちゃんに、『さっきスーパーで買ったから、大丈夫です!』 といって、帰ってもらいました。ひょっとしたら本当にまんじゅうの訪問販売だったかもしれませんが、生命保険の更新の時と同じドキドキ感がありました。ひとり暮らしの老人を狙った訪問販売、特に地方都市を狙ってきたりするので、本当に心配です。
遠距離介護って滞在日数が限られるので、こういうところが本当に心配です。なので、誰か訪問販売に来た時は、わたしは必ず出るようにして、『この家はひとり暮らしじゃない』 っていうのを印象づけるように努力してます。次の訪問がですね・・・
灯油を小型タンクローリーで販売に来るおじさん
これは悪質でもなんでもなかったんですが、認知症が発動してしまったために、短期間で2回灯油を買ってしまった事がありました。こういうのも灯油屋さんに言っておくべきだったんでしょうが、灯油屋のおじさんから見れば、やっぱりうちの母は普通なんですよ・・・認知症なんて短時間では気づかないから、灯油を再び満タンにしたんだと思います。
ここでも再び、遠距離介護で認知症の家族をもつ苦労を体感したのでした。最後がですね・・・訪問販売じゃないんですが・・・
送りつけ詐欺
ある日化粧品が家に届いていて、母に聞いてみると、
『頼んでないのに、勝手に請求書が送られてきたんだけど・・・』
これは、最近急増中の ”送りつけ詐欺” だな!と。この件は妹が対応してくれました。詐欺業者め!ということで、早速、請求書に書いてある発送元へ電話してみました。すると、
『××さまが購入された化粧品、お支払の方がまだ済んでませんけど』
『・・・・・・・』
認知症の母が注文した事をすっかり忘れ、さらに支払うことも忘れていた というオチだったんです。これ以外にも固定資産税の督促が市町村からたびたび来ているのに、完全スルー。偶然私が役所にいって、その事実が発覚なんてこともありました。それからというもの、
家に届く郵便物、書類すべてをわたしが管理する!
母が興味を持ちそうな、通販チラシはすべて廃棄する!
これをやっています。わたしは隔週で実家に通っているので、自分がいない週は勝手に何か注文している可能性もあります・・・が、次の週に家に行けば、何を買ったかは分かります。今のところこの方法にして、無駄な買い物はしてません。
重要なものは、すべて鍵をかけて管理をしています。机の上とかに置いておくと、きれい好きな母は勝手に捨ててしまったりするためです。みなさんもわたしと同じような経験、あるんじゃないかな・・・って思います。
投資話とかそういうのではなく、まんじゅうレベルで済んでいるのでいいんですが、成年後見制度を母も利用したほうがいいかなと思い始めています。認知症の症状がもっとひどくなったら、そうしようと思います。現在、祖母の成年後見人ですが、次は母かぁ・・・・成年後見人について、やたら詳しくなっちゃうなぁ(笑)
今日もしれっと、しれっと。
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