父のマンションで生活しているときに見つけたカオスな銭湯

ちょっと重めの記事が続いたので、ライトなやついきます。

父のマンションに、6泊7日しました(介護ベッド利用)。最近ブログに登場しておりませんが、同じ市内に住む認知症の母は変わらず元気で、スマカメでチェックしております。

母に「父の死」がバレないように

わたしの喪服、数珠、ふくさなどは、すべて母の家にありました。しかし、母の前で喪服を着ると、

あんた、だれ死んだの?いつ?香典はいくらなの?わたしはどうするの?

この質問を、何回も何回もされることは間違いありません。そして、妙な不安だけが母に残るということで、すべては秘密裏に行う必要があります、そこで・・・

  1. 妹に車で連れて行ってもらって、母と話している隙に家に侵入。喪服や数珠を取って、車に戻って隠れる
  2. 母がデイサービスに行っている間に侵入、お風呂道具や着替えなどをもって、父のマンションへ
  3. 帰京する日、すべての荷物を母の家に戻し、何事もなかったことにする

とまぁ、コソ泥な日々でした。もちろん、お薬が飲めているかのチェック、冷蔵庫の賞味期限チェックをして、また父のマンションに帰りました、良心的なコソ泥です。来週また、盛岡に帰るのですが、そこからはいつもの母との日常が始まります。

父のマンションのそばにあった変な銭湯

父のマンションは、本当に汚いです・・・てか、汚かったんです、最初は。それを家族や、ヘルパーさんの努力で、ある程度住めるレベルにはなったのです。

最初のイメージがどうしても抜けきれないわたしは、マンションのお風呂は使わない、できればトイレも使いたくない、水も使いたくない、つま先で歩く・・・そんな感じでした。

なのでお風呂は、近所の銭湯を使いました。スーパー銭湯があったらよかったのですが、単なる公衆浴場です。生前に要介護5の予定だった父とドン・キホーテに買い物に行った際に、こんな会話がありました。

うちの近所の銭湯には、背中に絵のある人がいる
くどひろ
今はさ、そういう人、立入禁止でしょ?
本当だって、いるって!

お風呂以外にも、洗濯機も使いたくありません。わたしは潔癖症ではないのですが、このマンションに関してはものすごく潔癖でした。だから、コインランドリーに通いました。おかげさまで、いろんなジャンルの本を読破できました。食事はヘルシーな定食屋があったので、そこを多く利用しました。

ある日、銭湯に行ったら、父の言ってたあの人がいるではありませんか!

全身に書かれた見事な絵。おじいちゃんでしたが、迫力は十分でした。「うわっ、本当にいた!」と心の中で叫びながら、しれっと髪の毛を洗いました。何の規制もない緩すぎる銭湯・・・

この銭湯、もうひとつ面白いことがあって、みんな普通に「あるもの」を浴場に持ち込むのです。そのあるものとは、マンガ。普通、洗い場の場所の確保って、自分のシャンプーとかリンス、洗面器でやるじゃないですか?それが、無造作にマンガが置いてあるんです・・・

くどひろ
ん?この洗い場は、だれか使っているってことだよな?

シャワーヘッドの上に7冊のマンガを置いている人、お風呂の中でマンガを読んでいる人がいました。あまりにカオスな銭湯で、度肝を抜かれました。

皆さんが読んでいたのは、静かなるドン、クローズ。そっち系だったら、「闇金ウシジマくん」が読みたかったのですが、ありませんでした。

父のマンションで寝泊まりすることはもうありませんが、遺品整理やリフォームなどまだまだやることがあるので、ひょっとしたらカオスな銭湯にまた行っちゃうかも。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか