認知症の祖母の財産を家庭裁判所へ報告するというお仕事依頼がきました

祖母(89歳)はやや高度の認知症であり、子宮頸がんです。適切な判断が自分でできないので、誰かが守ってあげないと詐欺にあったりして財産を失いかねません。そんな人のための成年後見制度ではあるんですが、わたしが成年後見人になったきっかけは少し変わっていて、

『認知症の母が、認知症の祖母の通帳も印鑑も捨ててしまったから』

今は笑えますが、当時はあせりましたよ。す、捨てるって・・・、キレイ好きな認知症の母ですが、孫のわたしもびっくりでした。祖母の部屋にある手帳やら、過去の郵便物を手当たり次第見て、どの銀行に口座を持っているかを推測。それでなんとか銀行を見つけることができました。がしかし・・・・

口座を見つけたはいいけど、家族と言えど祖母の口座にタッチすることもできない・・・・銀行とはそういうところ。うーん、成年後見制度の活用だ!!ということで、やむを得ず成年後見人になったのでした。2013年の2月に成年後見人に任命されてから、なんどか家庭裁判所へ足を運んだのですが、正式な書類提出は今回が初めてです。

家庭裁判所からのお仕事とは?

家庭裁判所から書記官のお名前のみの茶封筒で一通のお手紙が来ました。1か月以内に、財産目録と収支予定表を作成して提出せよ! という内容です。一番最初にゼロから祖母の財産を探りあてるのは、相当大変でしたが、一度苦労するとこの財産目録、収支予定表を作成するのは難しいことではありません。

この成年後見人のお仕事をさらに効率的にするために、やったことがあります。それは・・・・

わたしが成年後見人としてやったこと

銀行やゆうちょ銀行など、3つの預金口座に預けていた祖母。どういう理由で分けていたのか不明だったのですが、固定資産税の引き落とし口座に現金が不足して、2年近く滞納していたり、一方で年金が振り込まれる口座は入金はあるものの、出金がないという意味不明な口座管理でした。

当然口座分だけ、家庭裁判所へ通帳のコピーを提出しないといけないし、病院代や医療費の戻りなどもあったりして、面倒なの2口座を解約して、すべて1本の口座にまとめました。

母のケアプラン同様、祖母の財産管理に関してもだいぶラクになりました。自動引落しできるものは全部したし、入金に関しても同様です。すべて記帳することで、収支が分かる状態になっています。

支出に関しては実家までの交通費、やむを得ず車をリースで購入した月々の支払なども、祖母負担になっています。祖母の介護で実家に戻り、そして病院へ行く。母の介護も同じことなので、介護費用の節約ができています。ガソリン代、事務用品代なども費用計上しています。

コピーが結構多く、以前はコンビニのコピーを使った事もありますが、通帳とか年金証書とかちょっとコンビニでは・・という事もあって、家に安いコピー機を購入しました。トナー代、用紙代なども祖母の費用にしています。

締め切りまであと1ヶ月ですが、日頃からExcelで収支表を作成しているので、実際のお仕事はコピーしたり、家裁からの質問に答えたりという感じです。来週は実家に戻る週なのですが、この書類を一気に片づけたいと思っています。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか