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わたしが成年後見制度を利用した理由

成年後見人になるには

祖母の末期の子宮頸がんが確定し、母の認知症の症状も悪化という中、妹が立て替えてきた祖母のおむつ代がきっかけで、これから介護にかかる費用を誰がどう支払うか?を考える事になりました。

祖母の病院代とおむつ代など諸経費を見積もって、多くて月10万円くらいだと今は分かるのですが、当時は がん手術 という響きだけで、楽勝で100万円以上かかるものだと思っていました。自分は働いているから、それでなんとかするか・・と思いつつ、祖母が以前からよく私に話していた言葉をふと思い出しました。

『葬式代くらいはとってあるから、何かあったらそこから使いなさい』

早速、認知症の母に 『ばあさんの銀行の口座って、いまどうなってるの??』

と質問すると、認知症の母が驚愕の答えが。

『通帳は捨てちゃったよ、だって×印がついていたから』

え゛っ、まじで?? うちの母にはいい癖というか、悪い癖がありまして、とにかくきれい好きなのです。部屋の掃除、本棚に至るまで整理整頓がきっちりされています。ただ、ただです・・・・整理した場所を覚えてないんです!ひゃー!印鑑は?と聞くと、 

『あれ、どこいったかな?』

わたしがこの時に使った検索キーワードが、『介護・財産・認知症』。ふつうは『介護 費用 認知症』みたいな検索で、どれくらい介護費用がこれからかかるんだろうと想像するところですが、わたしは上記のようなことになってしまったので、財産という言葉を入れた結果、成年後見人にたどりつくことができました。

法務省のホームページを読むと、このように書いてあります。

認知症,知的障害,精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,遺産分割の協議をしたりする必要があっても,自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また,自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい,悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し,支援するのが成年後見制度です。
引用元:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html#a1

うちは認知症で銀行口座の状態が不明、しかも介護でいろんな契約を結ぶ必要がある。以前、羽毛ふとんを買っていたこともあるし、この制度に頼るしかない! そんな感じで成年後見制度を知ることになるのでした。

この成年後見制度で、『祖母にかかる費用のすべては、祖母の銀行口座から使う』というストーリーを描いたまま、病院内にある医療相談室でこういう場合どうしたらいいか?と質問したら、『後見人』という回答がズバリ来ました。これで成年後見人への道へ進むことが確定しました。

このブログのカテゴリ「成年後見人」を読むと、わたしが親族(孫)として成年後見人になり、職務を終えて報酬がもらえるまでの体験すべてが書いてあります。この記事が、成年後見制度の1本目になります。

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今日もしれっと、しれっと。


 


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東京と岩手の遠距離「在宅」介護を、10年以上続けられている理由のひとつが道具です。わたしが使ってきた道具を中心に、介護保険の杖や介護ベッドなど福祉用具も含め、介護者の皆さんがラクになる環境を実現するための本になっています。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて11年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか