成年後見人に就任後の「最初」の実務・職務ってなに?

成年後見人のお話も、本日で第8回。過去の記事は右側カテゴリ ”成年後見人” か、上部サイトマップからご覧ください。今回は成年後見人として無事登録がされ、最初の職務(お仕事)である財産目録及び収支予定表の提出のはなしです。

その前に、成年後見人の職務について

『成年後見人の職務について』 というA4サイズで4枚の紙が、審判書謄本と同時に裁判所から送られてきます。そこには成年後見人としての職務が書いてありまして、

1.成年後見人に選任されたときにしなければならないこと
・財産目録の作成
・収支予定表の作成
・報告事務

2.成年後見人になっている間にしなければならないこと
・財産管理
・報告事務
・成年後見登記に関する事務

3.後見が終了したときや成年後見人が交代したときにしなければならないこと

詳しくは下記裁判所のサイト、後見人選任後の手続きを参考にするのがいいのですが、この職務にはとても厳しいお言葉が書いてまして・・・

本人の財産を使いこんだりすると、刑事責任を問われたり、損害賠償責任を問われたりすることがあります。 

家族が成年後見人になる場合、身内だからと言って着服してしまうケースが非常に多いのですが、金額の大小に関わらず逮捕されてしまうので、本当にご注意くださいね。で話を戻しますが、上記1.というのを、1か月以内に提出せよ!というのが、最初のお仕事です。

成年後見人になって最初に思う事として、”職務” とか ”就職” とかいう文字がちょいちょい出てくるんですよ。全国14万人の方としか、今は共感できませんが、『成年後見人は、はっきりいって職業のひとつ』 ですよね?じゃないと、就職とかいいませんよ・・・ わたしが裁判所によく質問のため電話すると、決まって 『ご苦労様です』 (自分はお仕事ご苦労様ですと解釈) と言われます。(うちの家庭裁判所だけかな?)

いきなり最初の職務でギブアップ!1ヶ月以内に提出せよ・・・

わたしの場合ですが、『後見人になってから、祖母の財産を明らかにする』 というレアケースでして、申立を行った際に出した祖母の財産目録には、ことごとく 『不明』 を連発しました。なぜなら、認知症の母が通帳もハンコも捨ててしまったから・・・(笑) 後見人という証明を持って、金融機関に乗り込まないと、全く相手にされないのです。

最初は印籠(登記事項証明書)なしで、審判書謄本のみで金融機関を回り失敗、遠距離介護なので地方都市を回って泣く泣く東京へ逆戻り、再度、登記事項証明書をゲットして、金融機関を回り始めました。

登記事項証明書をもらうまでに、裁判所が東京法務局に登記するんですがここで2週間かかります。1ヶ月以内に提出と言われているけど、2週間は結局何もできませんでした。

2週間待たずに審判書謄本と確定証明書を持って、金融機関を回ればよいってのは途中で知りました。当時は分からないから登記事項証明書を2週間待って、再度金融機関をアタックする・・そんな事になりました。1回目で各地方銀行とも、約1時間~2時間の窓口やりとり。結構疲れましたよ。

『確定証明書が足りないのと、登記事項証明書ってあります?』 『印鑑証明書ありますか?』

どっちもないでーす、お手上げでーす。泣く泣く帰京しまーす。

2回目はさらに印鑑証明書(わたし自身のもの)が必要と言われた金融機関もあったので、それを東京で準備して持っていきました。1回目で窓口といろいろお話をして、銀行担当のレベルも上げておいたので(笑)、2回目は割とスムーズに手続きができました。それでも、通帳紛失届とか、印鑑の再登録とか書類はいやと言うほど書かされました。

今回必要だった登記事項証明書原本を、各金融機関分必要かと思い、東京法務局で5枚(550円×5枚)を用意しましたが、1枚で大丈夫です。どの金融機関もコピー取ってくれますから。そんな事もネット上、どこにも書いてないですよね・・・ここでも無駄な出費が。

一番時間がかかった金融機関が・・・・ゆ×××銀行です。ここで通帳再発行するのに、まずは”口座があるかどうか確認” で2週間待たされ、その後再度 ”通帳再発行” の手続きでさらに2週間・・・やっとオチですが、この事が原因で、1ヶ月以内にやらなきゃいけない財産目録の提出は1ヶ月延期となりました。

名探偵現る?銀行口座のありかを突き止めよ!

祖母が株式も持っているかもと、念のため証券会社も調べました。祖母がどこの銀行口座を持っているかは、幼い頃の自分の記憶と部屋に残されていた、色褪せた茶色のお知らせハガキ。『ハガキが来るってことは、口座あるな?』という、名探偵コナンばりの推理と、地方都市なのでおおよそ金融機関は絞られるので、なんとかなりました。

わたしの体験談はレアケースなので、普通の方は申立時に作った財産目録、そのままでOKです。でも、『そういえばあの人、○○銀行にも口座持っていたような』 的な記憶があって、後見人として実際に銀行で手続きすると、もれなくわたしと同じ目に合いますよ・・フフフ。金融機関毎に必要な書類が違いますし、キャッシュカードを持てる持てないとかありますので、それぞれ確認したほうがいいです。

あとは収支予定表(上記、裁判所サイトにあり)ですが、これは申立時に作ったものとほとんど変更がありませんでしたので、これはラク。さらに報告事務(事務報告書)(上記、裁判所サイトにあり)の提出の時に、『わたしの遠距離介護の交通費負担が重い』 と書いたんです。以前相談した時は、この交通費が費用として認められなかったためです。(この時は遠距離交通費は不可、市内移動の車のガソリン代はOKだった)

再度この事務報告書に記載し、提出先である家庭裁判所の書記官に直接会って確認したところ、今回はOK! この瞬間が一番、後見制度を活用してよかったな!って思えた瞬間でした。じゃないとですよ・・・最悪の場合、月10万円の交通費自腹が待ってましたから・・・ここまででおおよそ5か月が経過してます。

わたしの場合恵まれていた事は、財産がそんなになかった事や負債がなかったことぐらいです。ハンデは通帳紛失(これがひどかった)なので、トータルで見ると、普通ぐらいの負荷じゃないかと。ド素人なわたしでも、弁護士や司法書士を頼らずにここまでできました!費用面を抑えたい方は、わたしと同じやり方でチャレンジしてもいいかと思います。

でも費用より書類作成の時間が取れない!って場合は、報酬をお支払して弁護士や司法書士に依頼されてもよいかと思います。次回は成年後見人として、普段やっていることについて、書きますね。

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)