前回、認知症のお薬の割り方について記事にしましたが、その際に初めて聞いたコトバ「Do処方(ドゥしょほう)」がすごく気になったので取り上げます。
Do処方とは
看護用語辞典より「Do処方」について、引用します。
doとは、処方箋やカルテに記入する際に、「同じ」を意味する略語として使われる記号のことである。「繰り返す、コピーする」の意味の英語「ditto(ディトウ)」に由来する。「前回do」、「Rp. do」、「do処方」などと書き、全て「前回と同じ処方」を意味する。
引用元:https://www.kango-roo.com/word/4406
髪の毛を切りに行って「前回と同じで!」というあの感じに近いもので、「いつものお薬、出しときますね~」ということを「Do処方」と言います。医師、薬剤師、看護師さんは知っていると思うのですが、家族は初耳の方が多いのではないでしょうか?
わたしは「いつものお薬」と言われると、なんか安心してしまいます。認知症の症状が進行してないと思うし、聞いたことない薬を処方されるよりも妙な安心感に包まれます・・・一瞬だけ。なぜ一瞬なのかというと、こんな理由からです。
考えられる「2つのDo処方」
特に認知症のお薬は日進月歩で、新薬であったり、既存のお薬の新しい使い方が急に登場する世界です。わが家が使っている脳梗塞のお薬「プレタール」が、認知症にも有効という話も急浮上でした。
かかりつけ医がこの最新のお薬状況を理解していて、介護家族に提案できればいいのですが、いつまで経っても「Do処方」の場合、ちょっと待てよ?と家族は思わないといけないと思います。認知症の症状だって基本は進行するわけで、何年間もDo処方なのはどうかと。
お薬をもらうときに、薬剤師さんも必ずいいパスを下さいます。「お変わりありませんか?」というやつです。「特にありません」とわたしも答えてしまうのですが、話を聞いてくれない医師だったりしたら、ここは薬剤師さんに相談してみるのも手です。
もうひとつは、家族側は「Do処方」でいいと考える場合です。なんか安心すると書きましたが、今まで長く飲んだお薬なら大丈夫とか、習慣化してしまい思考停止になることもあります。何も家族がそこまで考える必要がある?と思われるかもしれませんが、わたしは考えておいたほうがいいと思ってます。
うちはお薬やサプリの組み合わせを、5年で5回以上変更しています。最近は1年以上同じお薬なのですが、わたしはそれでもなぜかソワソワしています。認知症のお薬(微量)で、症状が変化する話を聞き過ぎてしまったからかもしれません。
今はプレタールを飲んで脈拍90以上にならないかチェックをしてまして、チェック方法は訪問リハビリ、訪問看護のとき書いてくれる伝票を見ています。血圧、体温、脈拍をチェックする習慣がすでについていて、今のところ大きな異変はありません。
これが自分に対して「Do処方」であっても、特になんとも思わないのですが、母の認知症のお薬というだけで異様に警戒してしまいます。警戒心があるくらいがちょうどいいという皮肉な現状ですが、「Do処方」に家族は慣れないということが、認知症においては大切なのだと思います。
DO=どうせ同じ という処方に対して、DO=どこかおかしい という気持ちを家族は持て!と覚えておきます。
今日もしれっと、しれっと。
私も、長期使用して良い薬以外でも、do処方が少なくないですよ。
問題がない(変わりがない)と、do処方になりがちですね。
最近は、認知症治療の主体をプレタールにしており、抗認知症薬は自分から処方することは、少ないので、問題を起こすことは、ほとんど無いですが……。
後は、私の趣味は、薬を少なくすることですから、見直しすることは、時々しますが……。
理想は、「下剤だけにする。」なんですけど。そうなると、私の仕事は無くなってしまいますが………。
do処方で、注意しなければいけない薬は、神経伝達物質に影響を与える薬ですね。抗認知症薬は勿論、抗精神病薬や抗うつ剤、安定剤や睡眠薬なども注意しなければいけません。
意外なところでは、降圧剤(血圧を下げる薬)やガスターなどのヒスタミンH2ブロッカーなども、注意した方が良いでしょう。最近は、タケプロンなどのPPIと呼ばれる胃薬も、認知症には良く無いと言われています。
薬の変更を嫌がるお客(患者様)が、多いこともdo処方が多い一因なのですが…………。
薬の変更を提案するのは、良い医師の条件の一つなんですが、……。もっともなんでも新薬を勧めるダメ医者も居ますので、難しいですね。
小関先生
PPIの話、鹿児島認知症ブログの平山先生の記事で見かけたことがあります。意思を持ったdo処方なのか、何も考えてないdo処方なのかの違いかなと思います。先生のように薬を減らす方向で考えてくださればいいのですが、増量規定を信じていらっしゃるお医者様もまだいますので、こういうところで発信することで家族の意識が少しでも変わればと思っています。