認知症の母が「デイサービスへ行きたくない!」と言い出したとき、母の頭を見るとその理由が分かることもあるという記事を以前書きました。
「白と黒のまだら頭が恥ずかしくて外に出たくない・・・だから、デイサービスに行きたくない」とハッキリ文章で言ってくれるわけではないのですが、美容室に連れて行くと言わなくなるので、きっとこれが原因なんだろうと推測しています。
わたしはデイに行きたくないということをすごく評価していて、「認知症の進行を食い止める生命線のひとつ」とすら思っています。認知症の方の化粧に関しては「化粧療法」という言葉もあるくらいで、資生堂が特養や療養型病院、デイサービスなどで展開しています。
今日は、母の気になる身だしなみを「4つの美の生命線」というタイトルで、お伝えしたいと思います。
美容室
1つ目の生命線は、長年お世話になっている近所の美容室です。認知症であることを美容師さんには伝えているので、カットと毛染めの最中に同じ話を何ループも聞いているとは思います。それでも、きちんと対応してくださるので大変ありがたいです。
美容室に母を預けたあと、わたしは近くの喫茶店で本を読んで2時間くらい待ちます。毛染めとカットが終わると、美容室から電話来て母を迎えにいきます。だいたい2か月に1回ペースで通ってますが、母は、
としょっちゅう言います。わたしはここを生命線だと勝手に思っていまして、白髪を受け入れてしまったらすべての身だしなみが面倒になってしまうのでは・・・そう思っています。
近所のコンビニだからすっぴんでも大丈夫だよね、眉毛書かなくてもいいよね、マスクしていけばいいよね・・・こんな感じで、なし崩し的に何でもOKになってしまうような気がしています。「美の緩みは、気の緩み」創味シャンタンでおなじみのIKKOさんならそう言うだろうと、勝手に推測してます。
誰がそんなこと言ってた?という情報を並べて、無意味に褒めると母は喜びます。面倒くさいという気持ちがあるだろうと理解できるのですが、そうやってモチベーションを保ってます。
口紅
資生堂のDプログラムシリーズの口紅を、母は長年愛用しています。たぶん、わたしの妹が適当に選んだものなので、強いこだわりはないと思うのですが、わたしが同じ品番を探して買い続けています。ちょっとした色の変化で口紅を塗らなくなってしまっては・・・これも生命線と考えているので、決まった品番を買います。
以前は、近所のドラッグストアで売ってました。40代のおじさんが、20代の美容部員の方に口紅について聞く・・しかも盛岡・・・近所で噂になったりしないか?なんて、くだらない妄想をしながら、実は楽しんで買ってます。でも、在庫がない店が増えてきたので、最近はAmazonで購入しています。あんな小さな口紅1本が、荷物として送られてくるんですよね・・・
ファンデーション
オリーブ化粧品をなぜか信じ込んでいるので、近所の薬局で買っています。これもたぶん、お気に入りの品番があるのだろうと、頑なに同じ品番を買っています。最初はこのファンデーションがどこで売っているか分からず、ドラッグストアをいろいろと探したのですが、結局行きつけの薬局でのみ扱っていました。
ファンデーションがなくなっても、デイに行きたくないとは言いませんが、長年続けてきた習慣はできるだけ長く続けてもらいたいので、生命線だと思って購入しています。
化粧水
以前は通販の化粧水を使っていたのですが、購入した後に請求書を捨てて未払い・・・しばらくして催促が来るという事件があったので、最近は冬の乾燥を防ぐ化粧水になりました。
白髪、口紅、ファンデーション、化粧水・・・もちろんティッシュやトイレットペーパーの在庫切れ、冷蔵庫の賞味期限切れも大切なんですけど、これら化粧品の在庫チェックはかなりマメにやっております。認知症の進行を食い止める美の4つの生命線だと思って、頑張って購入しています。
読者の皆さんのご家庭でも、これが認知症進行を食い止める生命線というものがあるかと思います。うちは、他にもかろうじてできる料理だったり、デイに通うことだったり、いろいろあるのですが、この身だしなみはかなり気をつかっています。
今日もしれっと、しれっと。