認知症の経過報告(42週間目・43週間目)・歯医者事件

認知症の母(70歳)が、どのように変化していくかをブログで報告しています。

認知症の母の状態と現在行っている認知症治療

・コウノメソッド実践医の診断が、アルツハイマー型認知症からピック病に変更
・おそらく1年前くらいに発症、祖母が子宮頸がんで入院して家で1人になってから一気に悪化
・サプリメントのフェルガード100M(1日2回)のみに変更

差し歯がとれた」 と連呼するので

「差し歯がとれた」

2か月前からずっと言っていて、さらに

「歯医者は近所だから、ひとりで行ってくる」

という事も言っていて・・・ 様子を見ていたんですが、結局は 「ひとりで行く」 と言っては行かない、いつものパターンと判断。歯医者へ強制連行しました(笑)一応、わたしの事を信頼してくれているので、ダダをこねたりしません。日頃の接し方は、こういう時に活きてきます。

認知症と歯の関係

「歯周病があると、認知症は悪化する」

「歯を失うと、認知症リスクが約2倍に」

というように、「歯」 というか、「噛むこと」 というのは認知症と密接に関連しています。詳しい事はいずれ書きたいなと思っていますが、歯科治療 = 認知症治療 ぐらいのイメージを、わたしは勝手に持っています。 

「消毒」 を翌日に

瞬間接着剤で差し歯をくっつけていた母ですが、詳しくチェックしてみると、

1.残っていた歯が炎症を起こし、まわりの歯茎に悪影響を及ぼしていた
2.入れ歯が割れていた

歯医者に行っている という母の話を真に受けていた自分がアホだったのですが、いろいろと問題が多かったようです。ということで、残っていた歯は抜きました。すると・・・・

「翌日、抜歯したので消毒に来て頂けますか?」

と受付の方が。

「あ、明日ですか・・・」

次の日はわたしが予定が入っていたので、どうしても歯医者に連れていけません。ラッキーだったのは、歯医者が終わった直後に、サービス担当者会議があって、ケアプランの中に

「ヘルパーさんの通院介助」

を組み込む予定になっていました。会議中に明日の事を切り出してみると、むちゃぶりでしたがOKとのこと。早速、翌日の消毒はヘルパーさんの介助で、いく事になりました。

ヘルパーさんに託したもの

1.お金と診察券をヘルパーさんに直接預ける
→ 出発直前に診察券をよく失くすので
2.病気でスリッパがはけないので、歯医者の中はスリッパなしで
3.外を歩くときは、腕を常に組んで歩く
4.行きはタクシーを家に呼んであり、帰りはタクシーを呼んで連れて帰ってきてほしい

という注意書きメモをヘルパーさんに託し、さらに家のホワイトボード、カレンダーに

「ヘルパーのAさんが来るので、一緒に歯医者に行くこと」

と書いて、わたしは外出したのでした。

帰宅してみると、母がこういいます。

「わたし、ひとりで歯医者に行って、ちゃんとできたよ」

「??」

意味不明な事を言ってるんですが、机の上にヘルパーさんのメモ書きが残されていて、こう書いてありました。

・お母さまは、おひとりで歯医者に向かわれていました
・帰りのタクシーの道案内は、ご自分でされていました

母が言っていることはあっていたんですが、結局こういう事でした。

「わたしが呼んでおいたタクシーを待たせておくことが気になってしまって、ひとりで勝手に歯医者へ。ヘルパーさんは家に来たが誰もおらず、あわてて歯医者に向い、母を発見。支払いと次の予約を済ませて、無事帰宅」

ということでした。偶然歯医者に行ってくれたからよかったんですが、認知症の病院行ってたら終わってました(笑)もうひとつ、

「歯医者まで車で1分の距離だった」

ということも幸いでした。ものすごい近所の歯医者だったので、ヘルパーさんもキャッチアップできたのでした。遠距離介護を今後何十年と続けていく上で、ヘルパーさんの力は借りないとだめなので、いい失敗になりました。

歯医者って毎週あるんで、わたしの滞在期間とどうしてもマッチしないんですよね・・・・

結論

歯医者の予約はヘルパーさんだけに伝えて、本人には言わない

こうしないと暴走しかねないので、今後はこの方針で行きます。ヘルパーさんには謝罪しましたが、改めてすみませんでした・・・・


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

あるあるw 
うちの母も歯医者には絶対行かないですねー。口を開けているのが嫌なんだそうです。
病院も予定書くと診察券は私が持っているのに「診察券がない」って始まるんですよ・・・。

syumitektさま

お名前と歯医者、なんか関係ありそうですねww

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか