ヤングケアラー・若者ケアラーほど介護上手かもしれない理由

介護イベントによく参加する理由はこちらです。

  • 認知症や遠距離介護について学びたい
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都内の介護イベントに参加することが多いのですが、たまに介護先である岩手県盛岡市でも参加します。最近感じるのは、

「実は若い人ほど、介護上手なんじゃないの?」

と。年配の方は長く介護をしているし、いろんな経験もお持ちなので介護上手なはずなんですが・・・

介護イベント参加者の年齢や性別は?

やはり50代以上の方が多くて、60代や70代の方と話す機会が多いです。中には30代から介護が始まって、今40代という方もいて衝撃を受けました。これで衝撃を受けてはいけないのが、ヤングケアラーの皆様です。

ヤングケアラーとは、ティーンエイジャー(10代)が親を看る という若くして介護に直面してしまう方のことです。実際お会いしてませんが、話を聞いて驚きました。男女の割合は、やはり女性が多いです。男性は1割以下ぐらいかなぁと思ってましたが、実感としてはいつも2割以上はいます。

1968年当時は配偶者(お嫁さん)による介護が、約50%あった時代です。

「男は外で働き、女は家を守る」 

そんな時代でしたから、こんな驚きの数字になっています。2010年では配偶者は16.6%まで減少、代わりに夫16%、息子14%が増え、男性介護者も相当増えています。イベントに2割の男性がいることは数字からも普通で、本当はもっと増えないといけないですよね。

介護イベントでよく起こる事

介護のことを人に話す機会があまりないので、日頃の介護ストレスをたまったように話す方が多いです。最終的には介護ストレスから一時的に開放され、すっきりして帰られるんですよね。

ある50代女性は遠距離介護に悩んでいて、感情が抑えられず泣き出してしまいました。思いがあふれる瞬間は、何度か見ました。また、60代男性が、

「認知症の妻が同じことばっかり言ってさ、頭きてぶん殴っちゃったんだよね」

対応としては最悪・・って思いましたが、実際こういう方は相当数いらっしゃるんだろうと。介護って三者三様、それぞれ違うので

「こういう介護スタイルもあるんだぁ~」 「苦労されているんだなぁ・・・うちなんでまだまだ」

と毎回勉強になります。でも、介護ストレスがたまっているんでしょうね・・・・話が止まらない人も多くて、他の人の話も聞きたいのになぁ~ っていう事が、よくあります。(年齢のせいかな?)

「お父さん、ひとりで何分話してるの?」

と心の中で思いながらも、介護に使えるエッセンスだけはゲットしようと、冬眠状態を決め込みます(笑)

若い人は何が上手か?

若い方は ”情報収集が” 上手です。インターネットやSNSなどを活用して、介護情報を収集しています。もうひとつは、柔軟性です。やはり年配者としてのプライドが、邪魔しちゃうことがあるんですよね・・・そんなの分かっている的な・・・

「いろんな事を知っているほうが介護は楽になるので、情報収集が上手な若い人は有利」

って事が言いたいだけなんです。ということもあり、若い方のイベントでの発言に妙に注目していたりします。同世代で介護する友達や仲間がいない事もあって、工夫されていますよね。

一方で注目しているのは、年配の方の “名言” です。長年の介護経験から出る一言に驚くことがあります。認知症を達観していた年配の方は、

「すべて覚えている事が幸せなわけじゃない、忘れる事で幸せなこともある」

さすが年配の方の発言です。人間は些細な事をいつまでも気にしたりしますが、認知症の方はそれを忘れるから幸せな部分がある という発想がステキだなぁ~と。

「ははぁ~、恐れ入りました」

頭が上がらなくなりますね。他の方のパネルディスカッション形式が、一番効率よく情報を得られますね。実体験だし、いろんな人の話を時間内で聞く事ができるしで。

しかし、介護の世界で若い人っていくつ?なんですかね・・・わたしは40代ですが、イベントではいつも若い方です。50代の方も若い方、60代で平均でしょうか。介護を仕事をしている人(ヘルパーさん、看護師さんなど)は、もっと若い方が多いんですが、主介護者の世代はいつもこんな感じです。

本当は年齢も関係なくって、いかに情報を持っているか が重要なんですよね!

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか