先日、NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン 第3回健康寿命」を見ました。なぜこの番組が気になったかというと、番組予告で「子どもと暮らすな!ひとりで暮らせ」と言っていたからです。
すでに健康寿命を終えた母ではありますが
寝たきり、要介護状態にならない状態で生活できる期間を「健康寿命」と言います。うちの母の場合、健康寿命は69歳で終えたことになります。番組では、この健康寿命をのばす3つのヒントとして、
- 運動よりも食事よりも「読書」が大事
- 子どもと暮らすな!ひとりで暮らせ
- ピンピンコロリには泥棒を捕まえろ
AIが膨大なデータから導きだした結果が、これです。
母とものわすれ外来に行ったときに、医師が「認知症の人のひとり暮らしって、実はいいのかもな~」と言っていたことを急に思い出し、健康寿命を終えたとはいえ、何か関連があるのでは?と思い、番組を見ました。
まず、「読書」がなぜ健康寿命を伸ばすことになるのかというと、本を探すという行為が運動になったり、知的な刺激を受けることが脳に良かったり、記憶を呼び覚ますきっかけになったりするからだそうです。図書館が近くにある人は、要介護リスクが低いというデータもあるそうで、とても興味深いと思いました。
「子どもと暮らすな、ひとりで暮らせ」ですが、ひとりで全部やらなければならないひとり暮らしは、運動不足になりづらく、同居する人がいないので気兼ねのない生活ができ、心が健康になり、ストレスを感じにくいのだそう。
逆に子どもと一緒に同居するほうが悩みが多く、自分を抑えないといけないし、自由にできない・・・結果、健康寿命も短くなるのだそうです。良かれと思って同居しているのに、それがかえってアダとなる・・・。
認知症の母の一人暮らしの工夫
認知症の母が一人暮らしをしていると誰かに言うと、
- 一人で食事はできるの
- 一人で火事の心配は大丈夫なの
- 家から出て行ったりしないの
この3つの質問を受けます。火事に関してはガスレンジを新しくしたことで、自動消火の機能が加わり、問題ありません。手足が不自由な母は家から出ていくのではなく、むしろ生活不活発病になって動かなくなるリスクがあり、実際に動かなくなったときは、本当に焦りました
食事に関しては、冷蔵庫にあるものを適当に炒めたり、焼いたり、煮たりすることはできます。料理名もない変な料理ですが、それでもひとりで料理を作って食べ、適当に味をつけて、なんとか生活をすること6年が経過しています。
デイサービスに週2回行ってますし、毎日誰かしら医療・介護職の方が家に来ることになっています。人と話す時間はかなり少ないですし、わたしから見れば満足できるレベルでもないのですが、ギリギリのところでひとりで生活しています。
認知症の母は、割と進行がゆっくりなほうと医師に言われたことがあるのですが、その要因のひとつにこの「ひとり暮らし」もあるのかなと思うこともあります。手足が不自由でも、料理はしないといけないし、トイレにも行かなければなりません。お掃除も気まぐれにしかしませんが、やることもあります。
いろんな方のサポートがなければ生活できませんが、母の中ではひとりで生きていかなければいけない、いや自分はひとりで自立して生きているという「いい勘違い」が、母の健康や認知症にもいい影響を与えているのでは? NHKスペシャルを見ながら、そんなことを考えました。
わたしが帰省して、良かれと思って介護したことが、かえってストレスにならないよう気をつけねば。
今日もしれっと、しれっと。
認知症の一人暮らしはストレスがなくて良いと本当に思います。
母も一人暮らしですがおかしなことを言ったりしたりしても、誰も突っ込まないことは良いことなんだと思います。
主治医の先生もそう仰ってました。
できるだけ長く自宅で一人で暮らしていけるようにサポートすることが娘である私の役目だと思ってます。
kazuminnさま
なかなかそういう発想になる介護者は少ないかもしれませんが、娘としての役割だとわたしも思います!
私も認知症の独居の母を介護して6年がすぎました。一人暮らしはいつまでできるのかと気がかりでしたが、危険な物は無くしたり、母の手の届かないところに置いたり工夫してここまできました。認知症でもいろいろなタイプがあり、本人の性格や生い立ちなどが大きく関係している事を実感しています。一人暮らしは認知症の人にはストレスが少なく、自分でなんとかしようとするので、その事自体がリハビリになっているように思います。あとどれくらい今の状況を続けていけるか不安はありますが、何とかもう少し母を支えていきたいと思います。
なほさま
おっしゃるとおり、ひとり暮らしのほうがむしろ認知症ご本人にとっていいという人もいます。介護者が認知症の人にストレスを与えているケースが決して少なくないからです。
わたしもあとどれだけ支えられるのか分からないのですが、いけるところまでこの体制でいくつもりです。