「舟木一夫」 にときめく認知症の母とコンサートに行ってきた!(当日編)

青春歌謡BIG3 スペシャルコンサートに、母と行ってきました!

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前準備

当日の朝、ピック病のお薬であるウィンタミンを服用させませんでした。理由はコンサート中、寝ないようにするためです。副作用で眠くなるんですよね、このお薬は。

わたしの中でコンサートの目的は、ずばり「回想法」。過去の思い出に触れたり、誰かに話す事で脳が刺激され精神状態が安定し、これが認知症のリハビリテーションになる というものです。

回想法
くどひろ
舟木一夫以外は、興味ないの?
わたしはねぇ~、舟木一夫 一途なの!
くどひろ
・・・・・・

別居中の出て行った父はどうなった?別居してるからいいか?とかどうでもいい事を想像しながら、いざコンサート会場へ。昼・夜の2回公演の昼の部に参加、歩くのに時間がかかる母なので開場と同時に入って、舟木一夫グッズをチェックという作戦を予定通り決行しました。

くどひろ
たまには、パーッとお金使ったほうがいいよ

グッズの前にはマダムが群がってます・・・外に出る時はいつも腕を組んで母とは行動しているので、当然わたしもマダムの中へ。ぶっちぎりに自分はマダムより背が高い!群衆でも店員さんと唯一目線が一緒で、購入がラクでした。

CDやDVD、舟木一夫カレンダーあたりを買うのかなぁ~ と思ってたら、購入したのはこの2点。

舟木一夫最新写真集(3,500円): きゃーステキ!
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舟木一夫のうちわ (500円): いい顔してますね~
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開演前に写真集を見ながら、開演の時を待ちました。どちらも失くす可能性があるので、わたしが預かりました。

いざ開演!

わたしの勝手なイメージでは、ジャニーズばりにうちわを振ったり、ペンライトをかざすのかな?と思っていたんですが、演出の都合や他の観客のためにもそういうのNGなんですね。居間にエアコン設置してしまったけど、家でうちわは使ってください(笑)

ピック病ぽいところがある母なので、オンオフスイッチが結構はっきりしています。この場合は舟木一夫でオン、他の方でオフということです。始まって1時間過ぎても、一夫さんは出てきません・・・・

くどひろ
やべー、こりゃ寝るな・・・

暗闇の中、母の横顔をちょいちょいチェックしました。三田明さんや西郷輝彦さんの「綾小路きみまろ」ばりのMCに助けられ、なんとか寝ませんでした。で、90分が経過したところで、やっと舟木一夫さんパートが始まりました。

母は一緒に歌ったりするタイプではないので、静かに手拍子をしています。暗いので楽しいのか、そうでないのか分からなかったのですが、手拍子する機会すら日常ではないですからね・・・

3人合わせて30曲以上はありました、わたしが知っているのはわずか5曲。高校三年生と銭形平次、星のフラメンコ、美しき十代・・・そして、わたしが唯一スイッチが入ったのが、西郷輝彦さんの 「ねがい」 という曲。

くどひろ
「江戸を斬る」の主題歌だ~、超なつかしー

あとの25曲は母の監視と、周りの観客の様子見、バックバンドやコーラスの方を見ながらの妄想で2時間を過ごしました。高校三年生って、ファンの方は歌詞を丸暗記しているんですね。会場全体で歌ってたのを見て、びっくりしました!

コンサートを終えて

くどひろ
どうだった?
全部知っている曲だったから、よかった!

と最初はよかったんですが、しばらくすると、

あれ、舟木一夫と誰が出てたっけ?
あれ、ここは××会館じゃなかったっけ?

3人のコンサートという事を忘れたり、会場をまるで違う場所と勘違いしています。帰りのタクシーも初対面の運転手さんに、何度も同じ質問を繰り返していました。初対面の人は結構普通に対応できるんですけど、今日はだめでしたね。

家に着くと、母はうちわに掛かったビニールをセロテープ止めしてます。うちわがいつまでも汚れないようにするための措置らしいです。

また、舟木一夫が好きになっちゃった!

「舟木一夫と結婚したらどうしよう~ 」って若い頃思ってた母。そういうポジティブな妄想は、大歓迎ですよっ!認知症の 「妄想」 がすべてポジティブならば、介護する人もここまで苦労しないと思うんですよね。あのネガティブ妄想は、聞いている方が心折れますよね~

認知症には「トキメキ」がいい治療薬になると思ってます。舟木一夫スイッチが再び入ることで、認知症の症状改善につながる事を期待してまーす!

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか