いい病院・医師が見つけられない!認知症の医師に出会うまでの体験談

名古屋フォレストクリニック院長 河野和彦先生のコウノメソッドにたどり着くまでには、いろんな失敗をしてきました。

かかりつけ医に認知症治療をお願いしようとしたが、会話にならなかった

わたしの手紙に応じて、母を呼んで認知症検査してくれたのは感謝しているんですが、東京から深夜バスで早朝に到着、病院行ったら2分経たずに診察終了という時もありました。

かかりつけ医
家族の方が来ても、本人がこなけりゃ意味ないでしょ。わたしは薬だすかださないかぐらいしか、できませんから

あの病院入口の温かいハートマークの ”もの忘れ外来・なんでも気軽にご相談ください” の看板って・・・。看板はあったかいのになぁ~

CTも撮ったはずなのに、説明もないし・・・アルツハイマーなのか、レビー小体型なのか・・・診断結果も不明。このおじいちゃん先生、認知症知っているの?という不信感満載で、かかりつけ医とお別れしたのでした。3回行きましたが、今思えば診断書書いてもらったくらいしか思い出がないです。

セカンドオピニオンで大病院へ、レスポンスが遅い

この認知症センターは、とてもすばらしいものでした。認知症に軽度などのレベルがあることは、このセンターで教えてもらいました。一度予約をして、30分の面談。遠距離介護なので、電話でのやりとりで3回ぐらいそんなことがあって、かかりつけ医の不満も相談。この大病院に、今後お世話になるものと決意していました。

最後の最後に先生が、

医師
紹介状が必要なので、いやかもしれないけど、かかりつけ医の先生からもらって来てください

えっ、紹介状なくても大丈夫って1回言ったのに・・・明日かかりつけ医に母を無理やり連れていかなきゃいけない上に、あの診察じゃぁ・・・ いやだな、いやだな・・・ ていうか、紹介状書いてくれるのか?? 悩みながらパソコンをカチカチしていたのが、診察当日の深夜1時です。遠距離介護なので、滞在日数も限られるし延期もできない・・・・覚悟を決めるしかないのか・・・何かの拍子で、コウノメソッドという検索結果が出ました。

最初はなんじゃこれ?としか思わなかったのですが、私が最もいい!と思った認知症の本の著者が、コウノ先生・・・ん? 

認知症介護をする前に家族が読むべき3冊の本

な、なんと・・・河野先生じゃありませんか! 河野先生自体は名古屋なので連れていくのは無理だし、困ったな・・・やっぱり近くのかかりつけ医か?思ったら、コウノメソッド実践医というのが、全国各地にいるんですね。

この田舎にそんなメソッドを実践している人はいないよなぁ・・・・・・・い、いた!googleで検索したら、奇跡的にご近所に実践医が! ということで、ものわすれ外来の予約を母には内緒でして、ウソをついて保険証を母からゲット。コウノメソッド実践医へ母を連れて行くことにしたのでした。 

コウノメソッドに書かれている一文

ブランド志向で医師を選んではならない。精神科、神経内科と謳っている医師、大学病院、教授がもっとも危険な処方をする。診断も処方もすべて家族が行う覚悟でない限り、患者の安全を守ることは難しい。 医師を育てるのは、患者や家族である。肩書のある医師でなく謙虚な医師を選べば、道は開ける

そうだよな、うちのかかりつけ医は決して謙虚じゃない。大病院はひょっとしたらよかったかもしれませんが、忙し過ぎて全部に目が届く訳もない。やはり家族がしっかりしないと!ということで、いろんなお医者さんで失敗して、なんとかコウノメソッド実践医の先生に出会えたのでした。

祖母と合わせると、この半年でお会いしたお医者さんは8人。神経内科、内科、婦人科、整形外科で、急性期病院の先生、開業医、療養型病院の先生、ホントいろんなタイプの先生がいますよね・・・相性ってあるな!しかも認知症の母はそこは分からないので、自分の相性で決めよう!そんな半年間でした。

その半年で一番痛感したのは、首都圏と地方都市の医療レベルの違いです。当たり前ですが首都圏は人が多いし、医者も多い。そしてレベルが高いです。地方都市にもいい先生はいますが、なかなかめぐり会えません。中にはこんな診察してたら、首都圏だったらネットで炎上しちゃうよ っていうところもあります。

それでも病院をやっていけるのは、地方の場合ライバルの病院がいないし、それしか選択肢がない。でもって、お年寄りのみなさんはそれで満足してたりしますからね・・・インターネットのおかげで首都圏と地方の医療格差こそあっても、情報格差はネットのおかげでほとんどなくなったのは本当に大きいです。 あと医療設備や建物がどんなにきれいでも、やっぱりお医者さんや看護師の方の対応が悪ければ、なんの意味もないですね。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか