認知症介護の失禁対策で使ってきたグッズを振り返る

わが家の認知症介護のこれまでの尿失禁対策の歴史と、最新の対策についてご紹介していきます。グッズという括りでいいのか分かりませんが、使ってきたものたちです。

認知症の母のプライドと戦う日々

認知症介護が始まって2年半後には尿パッドを購入しているので、おそらく介護1年目か2年目くらいから、尿失禁との戦いが始まっていたようです。当時の母は軽度の認知症で、しっかりプライドもあって、オムツは要らないと言ってました。

オムツ代わりに使っていたのが、トイレットペーパー。尿パッドのようにトイレットペーパーを下着にあてて使う母。汚した紙を取り忘れて洗濯して、洗濯物が何度も紙くずだらけになりました。

尿パッド

紙くずを取るのが大変になったので、介護が始まって2年半が経過した頃から布パンツ+尿パッドを使い始めました。下記記事のような工夫をして、その日から使ってもらえるようになり、大活躍しました。今度は洗濯機に尿パッドを入れるので、吸水ポリマーだらけになりました。

尿パッド
介護 Amazonほしいものリスト
Amazonほしいものリストでブログ読者さんから頂いた尿パッド

失禁パンツ

認知症介護が始まって、8年経ってもオムツやリハパンがNGの母。ムリに履かせられないので、いろいろ考えた結果、失禁パンツを導入しました。

失禁パンツ

本腰を入れるきっかけは、母がデイサービスでたびたび失禁していたことです。これまで日中の尿失禁はほぼなかったのですが、連絡帳に失禁の記載回数が増え、デイの皆さんが大変だろうということで失禁パンツを買いました。

外見は完全に布パンツ。履くと大きなパッドがついているので若干違和感はありますが、抵抗なく履いてくれました。ただひとりの生活に戻ると、自らは失禁パンツは履きません。

母は日中は自分でトイレにほぼ行けますが、手足が不自由なので間に合わないときもあります。一方で、夜間の尿失禁はどんどん増えていきました。

ポータブルトイレ

夜間の失禁増加によって、敷布団やマットレスを濡らす回数が増え、最初は盛岡の寒さが原因と思っていたのですが、単純に夜間失禁が増えただけでした。それで寝室にポータブルトイレを設置しました。

ポータブルトイレを設置

認知症でトイレと認識できるか不安だったのですが、設置した日から普通に使ってくれてます。おかげで洗濯や掃除の時間が減って、介護負荷がものすごく軽減されました。

7年ほどオムツやリハパンを導入しようとしても、母のプライドが許さないのでなかなか導入できない。だから他の方法を模索して、7年間やってきた感じですが、最近になって新しく追加されたものがあります。

まるで下着を履いてもらう

いつ買ったかも覚えていない、花王リリーフの『まるで下着』という吸水パンツが自宅にありました。

お試しで買った『まるで下着』

おそらく、オムツやリハパンを受け入れてもらえなくて、限りなくオムツっぽくない『まるで下着』を母に履いてもらおうとトライしたものの失敗し、放置していたのだと思います。

妹がこの写真の『まるで下着』をどこからか見つけ、試しに母に履かせたところ、すんなり履いたらしいのです。7年ぶりに入ったお風呂くらいの衝撃で、ウソでしょ?って思いました。認知症の進行で、以前はダメなものが次々クリアできてます。

わたしが試しに買った『まるで下着』は特別デザインのお花柄で、サイズは大は小を兼ねると思い、L~LLサイズを購入。尿を2回ほど吸収します。一般的なオムツと比較すれば、確かに下着に近い感じはありますが、オムツ感はしっかりあります。

今だ!ということで、一気に『まるで下着』へと移行することになりました。サイズは大きすぎてオムツ感が出たので、ジャストサイズに近い感じのMからLサイズにしました。色がピンクなのもありがたいです。ホワイト、ブルーもありますし、ローライズもあります。

日中の失禁も気を付けなくてはならなくなり、通院のとき不安でした。でも 『まるで下着』 のおかげで、通院くらいの短時間であれば、なんとかなります。

改めて購入した『まるで下着』
まるで下着(左がお花柄、右がピンク)

今の最大の課題は、洗濯です。

母はデイでお風呂に入るようになったのですが、デイでの入浴後はこの『まるで下着』を履いて帰ってきます。デイでの尿失禁対策はできても、母は帰宅後に 『まるで下着』 を洗濯機に入れてしまうのです。

そして、そのまま洗濯。何度も苦しめられた尿パッドの洗濯同様、もっとすごい吸水ポリマーだらけの洗濯槽問題が勃発しました。デイ入浴後にまるで下着ではなく、失禁パンツを履いてもらうべきか、現在テスト中です。

音声配信voicyの最新回は、ある有名ピアニストの生き方が認知症介護にも使えるというお話です↓

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか