認知症の母との洗濯物の格闘

2019年6月の記事で、認知症の母が洗濯物を乾かないうちに取り込む話を書いた。3年経った今も継続中で、わたしは洗濯物を外に干すのは午前中だけと決めている。

洗濯物
理由は、母は昼食後に乾いてない洗濯物を畳んでしまうから。ひどいときはそのままタンスや棚に片づけて、洗濯物から生乾き臭が漂ってくる。なぜこういった行動になるのかは、分からない。

対策として、昼食後は洗濯物を母の視界に入らない場所に移動して乾かし、乾いたところで母に畳んでもらうようにしている。わたしが東京に居るときは、ヘルパーさんに洗濯をお願いしているので、おそらく8割近くはきちんとした洗濯になったと思っている。

残り2割は、母がヘルパーさん不在のときに自由に洗濯してしまうケースと、わたしが遠距離介護で帰省した直後に母の行動をすっかり忘れていて、母に濡れた洗濯物を畳まれて「ギャー!」ってなるくらい。

この前は身長155cmの母が、洗濯ハンガーをずるずると引きずって居間に持ってきた。せっかく洗濯したのに、床のホコリを洗濯物がキャッチしてた。床がキレイになって良かったね~とか、気の利いたことを言えればいいんだけど。

新しい洗濯物問題が勃発

最近は乾いた洗濯物で、新たな問題が勃発した。

洗濯物を畳む仕事は、母にお願いしている。最近はお願いできる仕事がどんどん減っているので、貴重な家事になっている。

畳んだものの片づけ先が不明なのだ。タオルはお風呂場の棚、下着はタンスなど、だいたい決まっているのだが、最近特に困っているのがわたしの下着や靴下。

前はわたしの洗濯物はきちんと分けてくれたのだが、最近ではしれっとわたしのパンツが母のタンスに入っている。だから、いざパンツを履こうとするとなかったり、靴下の片方が不足したりしていて、気づいたときに探すのだが、いつも見つからない。

デイサービスに行く準備をして、送迎車を待っていたときのこと。外のベンチで母が靴を履いているときに、靴下が下がってきたようでグッと元の位置に戻していた。

わたしはその光景を見て、おかしなことに気づいた。1つは、左右の靴下の色が微妙に違っていた。ブラックとチャコールグレーぐらい微妙な違いなので、母には分からないだろう。

もう1つは、そもそも母の靴下じゃない。わたしの靴下を履いているから、サイズが合わずにズルズルと下がってきてしまうのだ。この時点で5日くらい探していた、わたしの靴下(片方)を2足とも発見できた。

最近は乾いた洗濯物を母に畳んでもらう時点で、わたしの下着や靴下は自分の部屋に逃がすようにした。母の認知症の進行に合わせて、介護者側もどんどん工夫していかないとやられてしまう。考えて、考えて、ストレスをためないようにしないと!

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか