先日、最新刊と重版の印税の入金がありました。
人に会っていないコロナ禍では言われる機会はありませんでしたが、以前と比べてこういう冗談を言う人が減ったのは、出版業界の厳しい現状を理解する人が多くなったからだと思います。
書店の数も減って、初版で刷る部数も減る。そうすると著者に入ってくる印税も当然減ります。
それでも本を出版したい人はたくさんいるので、毎日たくさんの新刊が書店に並びます。
わたしもそんな中で戦っているわけですが、いつも印税を受け取るとうれしい気持ちのあと、悲しい気持ちになります。なぜなら印税を本にかけた総時間(参考文献を読む、アイデアを生み出す、取材する、執筆する)で割って、時給に換算するからです。
涙が出るほど少ない時給になるので、計算はやらないほうがいいのですが癖です。書いている最中は無給なので、印税が入金されてやっと仕事として報われた感じになります。
じゃあ出版のオファーが今後来たら断るかといえば、それは断わらないんですよね。全く辻褄があっていませんが、なぜそんなふうになるのでしょう?
印税だけではない大きなメリットが出版にはある
印税単体で考えるからいけないのであって、本を出し続けていることで付随する仕事がいろいろやってきます。取材、執筆依頼、講演などなどです。
あとは本が長く売れてくれて重版が続けば時給は上がっていくので、そういう本を目指すしかありません。といいつつ、未だにどうしたらそういう本が出来るのか分からないのですが、前作は長く愛される本になったので、印税が入り続けてありがたいなと思ってます。
たくさんの本が刊行され店頭に並んでは消えていく中で、わたしがなんとか粘っていられるのはこのブログであったり、音声配信voicyで発信したりを続けているからだと思っています。
日々の地道な発信の先に重版があります。もちろん出版社の営業の方々も店頭を見てくださっていますし、わたしはわたしでこうした発信から店頭やネットにつなげる流れをコツコツ作っています。あれ、どこかで見たことある? とはなかなかなりませんが、それでも意味はあります。
2022年に本を書き続けて、翌年にやっと報酬がもらえる仕組みは不思議ですが、著者としては仕事が一区切りついたなって思いますね。もちろん新刊を多くの人に読んでもらうべく、これからも活動はしていきますし、これまで書いた既刊も同じです。
音声配信voicyの最新回は、お口の中の話です↓
今日もしれっと、しれっと。
くどひろさん、印税で蔵が立ちますね!