認知症の母の災害時要援護者名簿の登録をしていたつもりだった

先週、認知症の母の災害時要援護者名簿登録をしました。名称のとおり、災害が発生したときにわたし(家族)が母を助けられない場合もあるので、そんなときに助けが必要になる人たちの名簿です。災害時の安否確認や声掛けに使われます。

介護が始まって10年以上経っているのに、なぜ今のタイミングになのか? その理由からお話しします。

災害時要援護者名簿の対象条件

全国自治体に同じ仕組みがあるので、すでに登録されている介護者は多いと思います。わたしも登録していると思い込んでいました。これが登録が遅くなった理由です。

盛岡市の名簿登録の対象者の条件は、

  1. 75歳以上の方のみで構成される世帯の方
  2. 要介護3以上の在宅生活者
  3. 身体障がいのある方
  4. 知的障がいのある方
  5. その他援助を必要とする方

母は①~③に該当します。

わたしの記憶では、民生委員さんが家に来たときにあんしん連絡パック(名簿登録状況とかかかりつけ医、お薬の情報が保管されたもの)の作成について話したと思ってました。災害時に避難所まで持っていくためや、自宅で倒れたときに救急隊が使うものです。

たまたま身体障害者手帳の申請と、災害時要援護者名簿の登録が市役所の隣の課だったので、念のため名簿登録されているかどうかの確認をしたのです。そしたら「登録されていません」と言われて、慌てて登録をしてきました。最近、地震が多いですし。

個人情報の取り扱い

この名簿登録は、個人情報になるので本人の同意が必要です。

あんしん連絡パックの配布は、後日民生委員さんからあります。あんしん連絡パックには、名簿登録状況、かかりつけ医の領収書、飲んでいるお薬の情報、保険証の写しをセットします。

これを冷蔵庫に貼り付けておき、さらに玄関ドアの内側にあんしん連絡パックシールを貼って、救急隊が分かるようにしておきます。

登録時にできなかったのが、地域支援者の決定です。地域支援者は普段からの見守りや災害時に一緒に避難するなどの役割があります。申請時に記入欄がありますが、思い当たらず空欄で出しました。支援者を記載したからといって、責任は伴わないゆるいものです。

近所づきあいをしっかりされているのであれば可能ですが、うちのご近所は新しい方も多いですし、それほどおつきあいもありません。なので空欄にしました。

これまでの地震では見守りカメラが映らなくなるケースは、10年で1回もありませんでした。ただ見守りカメラが使えないほどの地震の場合はどうすることもできないので、この仕組みのお世話になるしかないと思っています。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか